徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

「もらわない、いやもらう」―定額給付金成立―

2009-03-04 22:00:00 | 雑感

 「僕は受け取りません」
 「おれはもらわない。最初から受け取らないと決めている」
 「私としては受け取る」
一体、どうなってるの~?
二転三転、七転八倒、定額給付金はさんざんブレまくったあげく、圧倒的過半数の三分の二で再可決、成立した。
またしても、衆議院で・・・。
良識の府、参議院はどうなっているのか。
憲法で認められているからといって、こんなことが毎回毎回、常套化(!)してしまっていいはずはない。
二院制の危機だ。

麻生総理は、一旦は辞退を明言していたのに、方針転換した。
何というみっともなさだろうか。
受け取って、直ちに使って、消費刺激に充てたいと述べ、最終的に受給する考えを明らかにした。
理由について、生活給付の部分よりも、消費刺激の比重が高くなって、地元で消費に充てるのに、自分も参加するのはいいことだからと説明している。

当初、高額所得者が給付金を受け取ることについて、「さもしい。矜持の問題だ」と批判していたのではなかったか。
そのあとも、「受け取る意志はない」と明言していた。
この言葉のブレ・・・!
いかに、政治家の言葉が軽くなったことか。
論理の矛盾はないのか。
政治なのだから、大きく状況が変化し、いままでの政策を変えることは当然だ。
さもしいと言う男が、実は最もさもしかったのではないか。

定額給付金は、その目的も効果も、全くあいまいなままだ。
だから、国民の多くが反対を唱えてきたが、
 「これで、電子レンジが買えるから助かるわ」と、歓んでいるお年寄りがまたいるのも事実だ。
期待をしている人たちだ。
はじめ、豊かなところに出す必要はないとされたが、結局は全所帯支給に逆戻りだ。
しかし、麻生総理のブレは尋常ではない。
驚くばかりだ。
この人、一体何を言っているのだ、と思うことしばしばだ。
自分の言っていることが、どこまで分かっているのだろうか。理解に苦しむ。

この定額給付金だが、日本一早い(?)ところは、青森県の西目屋村だそうだ。
26日には現金で支給されるというから、早い、早い。
羨ましいと思う人もいるに違いない。

ただ、どう考えても、麻生総理が前言を翻したことは、いかにも軽い。
こんなことでいいわけがない。
これこそ、きわめてさもしい。
この言葉は、そっくりそのままご本人に当てはまるのではないか。
最後まで、自分の矜持を示されるべきであった。
その矜持を捨て去って、給付金を受け取ることにした。
とにかく、定額給付金関連の第二次補正関連法案は、再議決されて成立した。

給付金の支給を歓迎する人も、もちろんいるだろう。
反対する野党のうち、民主、社民、国民新党の三党は、党所属の国会議員が給付金を受けないとしている。
筋の通らない給付を拒否する姿勢は、大いに理解できるところだ。

当分の間、政府の丸投げを受けて、全国の市町村は、支給事務手続きをめぐって、超多忙な日々を迎えることとなる。
それでなくても、いま民主党党首秘書の逮捕で、政局はてんやわんやの大騒ぎである。
この一件、どういう展開をたどるのか、しかと見届けたい。
こっちも、あっちも、何だかとんでもないことになってきた。
永田町はいま、風雲急を告げている・・・。