足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

イエレン議長効果・・・世界的な株高の再開

2014-12-18 17:42:44 | 投資戦略
ウォール街は前日のFOMC後の米連銀イエレン議長の発言に大きく反応し、相場は急騰した。市場では“halo effect”(光輪効果)という表現で政策を大歓迎する。日本流に表現すれば「観音様が市場に光をもたらした」というところか。
特に注目されたのは“忍耐強く”政策を遂行するという言葉である。前任者のバーナンキ議長の2004~2006年の急ぎ過ぎる行動ではなく、じっくりと金融市場の状況を見極め対応する方針に注目が集まった。まさに“歓迎ラリー”である。
ロシアへの懸念も緩和した。プーチン大統領の「西欧の制裁はロシアの改革を促進する」という余裕のある発言を好感し、ヨーロッパ市場も急騰した。
ドイツ、仏の株価がリードしヨーロッパ株指数も3.0%近く上昇し、南米、アフリカの新興国市場も大きく反応した。イエレン議長が点火した発言が世界の株価に大きな影響を与えたのは大きな注目点である。
ウォール街ではハイテク、ヘルスケアなど先端的なセクターの株価が相場をリードし、2015年の株式相場の動きを暗示しはじめた。
東京市場にも昨日は大きな影響を与え、日本株が中国株を凌ぎアジア株の先頭に立って上昇した。年末ラリーがはじまった。
クリスマスを前にして日経平均は微調整したが、結果として株価には大きな弾み効果を与えることになった。
東京市場は一時の高値から伸び悩んだが、その分だけ本日は取り戻し上昇トレンドに拍車をかけることになるだろう。
引き続きハイテク株を中心に円安効果が業績を押し上げる自動車などの輸出関連に注力したい。

NY株に安定化・・・連銀の政策を好感

2014-12-18 06:34:20 | 株式
米連銀の2日間にわたるFOMCが終了し、声明文が「かなりの時間の現状維持」から「引き締め開始は我慢する」に変化したが、現状維持という見方と解釈し株価は反騰した。
市場は「利上げのペース」を軟化させたと微妙な変化を読み取り、ハト派寄りの見解を好感した。
イエレン連銀議長と市場の間には心理的なかけ引きは続くが、どこまでも市場の動きに配慮した政策に安心感が表面化した。
物価動向についての連銀の見方は「落ち着き」とみて堅調な雇用増のトレンドを確認した。世界の投資家が気にするロシアにまったく言及されなかった。
金利目標は2016年に2.87%というのを2.50%に引き下げた。イエレン議長のブレない政策に信頼感が高まった。
懸念されていたロシア問題だが中央銀行が動いた。これまで通貨ルーブルが46%暴落し、1998年のロシア危機の再来を想起する向きもあったが、銀行に流動性を供給する対策が動き市場の混乱は沈静化してきた。
現在のロシア経済は1998年当時に比べ国力が安定化し海外からの債務にも問題はない。当時はアジアにも金融危機があり、日本も足元がふらついていたが、現在の世界は米国の国力が回復し世界を安定化させる余裕が出てきた。
S&P500は+2.1%と2013年10月以来の上昇率。小型株指数ラッセル2000は+3.7%と3年ぶりの上昇率だ。ロシア問題に配慮した連銀の政策コメントとみた投資家が出動した。世界の中央銀行としての言動が市場の自信を呼び起こした。


NY株は高値から4.6%下落したが市場では10月のように目先、底入れの人気が伺える。
ドル相場が落ち着きを取り戻し円相場もNY市場では118円台に下落した。
東京市場も年末にかけて再び戻り相場に復帰するだろう。


新規公開株の投資戦略

2014-12-17 06:04:10 | 株式
今月のIPO(新規公開)は15日(月)のテクノプロ(6028)で始まったが、本格的には昨日の5銘柄の公開が事実上のスタートだ。
15日のテクノプロは公開値1950円に対して当日の引けは1915円と不発に終わった。2日目も+13円高と人気はなかった。
さて関心の昨日だが人気の筆頭は予想通りメディカル・データ・ビジョン(3902)に人気が集まった。病院、その他医療機関、製薬企業からビッグデータを集め患者の治療費を1日当たりの包括評価で決めるシステム関連。治療費の合理化の決め手を提案するニュービジネス。富士フイルムが大株主というのも人気が出る理由になった。
2番目に上昇したのはU-NEXT(9418)で吸収資金が46億円と大きくIPO価格3,000円に対して初値は3,650円と穏健な株価であったが引けは+55%の4,650円買いとストップ高で引けた。われわれの理論株価が5,700円であり割安であったが、合理性が人気に反映された。米国では先輩企業にネットフレックス(NFLX)という超人気株がありヘッジファンドの間で人気のある株だ。
市場からの吸収資金が7億円と少ない鍼灸接骨院チエーンのアトラ(6029)はIPO価格740円に対して+36%の1,013円で引けた。小泉政権下の規制緩和が生んだ業界だが世間でも認知された第一号である。
マークラインズ(3901)は公開価格1,980円に対して3,510円で寄り、引けは2,810円(+41%)で売り気配で終わったのは意外であった。世界の自動車メーカーや部品メーカーなどにプラットフォーム関連の製品情報を提供するインターネット関連で、会員数は1,700社を超え14万人が利用する。欧米、中国、韓国、タイなども海外顧客が39%を占める国際企業である。業種は異なるがMonotaRO(3064),エムスリー(2413)のビジネスモデルを想起させる。押し目は絶好の買いとみる。

IPO市場に本命が登場

2014-12-16 06:40:46 | 株式
NY市場の焦点は石油価格に絞られてきた。$55と5年ぶりの安値である。
これまで相場が下落すると必ずOPEC総会が開催され価格変動に介入してきたが、今回はこの常識が崩れたことで大きな不安感が巻きおこった。これまではOPECの盟主であるサウジアラビアがリーダー役になり相場の安定に乗りだしたが、相場の世界の勢力図が多様化し、相場の方向性をひとつにまとめるという常識が崩れた。
これまで石油関連株に投資してきた投資家にとっては大きな誤算で、こんなにもろくも秩序が崩壊するとはだれも読み切れなかった。この逆オイルショックの打撃は日本人には実感としてつかみがたい。
救いは米国景気が金融緩和の出口論が議論されるほどの余裕が出てきたことと、日本経済が回復基調の方向性を確かなものにしてきたことだ。
2014年の相場もあと2週間。年内は勝負があったというところか。
残るのは新興市場のフアンにとって今月は後半に入って27社の新規公開が押し寄せることだ。先週後半には5社が出たがテクノプロ(6028)以外はいずれもIPO価格を大きく上回った。
これからがIPO人気の本番で本日は本命のマークラインズ(3901)、メディカル・データ・ビジョン(7902)が出る。

選挙より世界の株価に関心

2014-12-15 07:01:05 | 日記
自民党が圧勝した。海外は休日なので正式な反応はメディアにみは出ていないが「これで2018年年までの安定政権が確約され、アベノミクスは規定の政策を遂行すうことが確約された」という見方につきる。新鮮味はない。
先週までの自民党圧勝という見方が裏づけられただけで、選挙結果は目先の相場に大きなインパクトはない。
むしろ気になるのは先週から始まった海外の株安である。
米国では原油安がネルギー株の足を引っ張る。本来なら経済にはプラスのはずだが、常識を超える下落で景気よりもエネルギー株に投資しているファンドへの打撃が大きい。
東京市場で考えている以上に石油関連の暴落は投資家心理を冷やす。先週は中国、欧州の景気の減速が問題になった。本来なら季節的に強い12月相場だがサンタクロースがどこかへ入ってしまうという展開に不安感がつのる。
根底には10月中旬からNYダウ平均が短期間に11.4%急騰したことに市場は懸念する。
米国景気の好調な回復、日本の超金融緩和策という好材料も加わって常識を超える好調な相場展開をつづけ明らかに短期的には過熱ゾーンにはいっていた。本来なら好材料のエネルギー価格の下落も、逆にマイナス視するというほどの過熱感が蔓延していた。
東京市場が気にするのは国内の自民党圧勝を飛び越えて、NY株を初め世界の株価の動向である。われわれも石油価格のここまでの下落は思考の圏外にあった。
目先の東京市場は先週末からはじまったIPO(新規公開)の方に投機的な資金が向かうだろう。
どこで世界の株価の調整が底入れするかに関心を集中したい。