足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

今週は材料が山積・・・ヘッジファンドが快進撃

2012-04-23 07:43:36 | 株式

今週は日米とも株式相場を動かす材料が続出する。

まず24日(火)の米連銀FOMCである。追加の資金供給策を出すかどうかについては決定的な見方はないが、仮にQE3(第3次量的緩和)のような政策が出るかどうかが焦点である。

日銀の政策決定会合は27日(金)だが、なんらかの資金供給の追加策がでることは間違いない。

景気指標では27日の米GDP(第1四半期)の発表が注目点。+2.5%(前期+3.0%)と鈍化する予想。

日米とも決算発表が市場の関心事。日本は26日から本格化するが、本欄で注目してきたコマツ(6301)の発表が26日(木)で20133月期の見通しが注目点。

ウォール街では今週はS&P50031の企業が決算発表をする。

注目の為替相場だが週末は円相場が対ユーロで2ヵ月ぶりの安値になった。日銀の緩和姿勢を先取りした。

ヘッジファンドに元気が出てきた。第1四半期の資金流入が目立ったが、年初来の好調なパフォーマンスを見直しはじめた。

先週の本欄で若手運用者のチェース・コールマン(36歳)のことを書いたが、昨年+45%の成果を上げ、ことしも年初来+30%と快進撃を続ける。タイガー・グローバルを運営。この調子でいけば運用資産が100億ドルに乗るのも時間の問題である。かつてソロスと並んで業界の2大巨頭として活躍したジュリアン・ロバートソンの愛弟子のひとりだが、最近はロバートソンの遺伝子を継ぐ運用者が門下生のなかから輩出しているのは目立つ。

彼らのポートフォリオを調べるとバフェットやソロスとの共通点のほか、さらにそれを超える柔軟性をもつていることに気がつく。時代の流れの変化を教えられる。

本日の日経新聞には一休(2450)の森社長のことが掲載されたが、いまウォール街での人気株のプライスライン・コムの日本版。ただホテル・旅館との契約数はプライスラインに比べて13分の1である。成長余力の大きい企業である。


快進撃の若手ヘッジファンド

2012-04-21 08:32:02 | 株式

NY株は週刊ベースで2週間続落した後、今週はプラスで引けた。

相場にエネルギーを与えているのは第1四半期の決算実績だ。マイクロソフト、GE,マクドナルズの株価が上昇したが、いずれも材料は好決算である。

昨日でS&P500のうち121社が発表したが80%が事前の予想を上回った。

引き続きこの基調は続く。

相場の懸念材料のユーロ危機であるが、昨日はIMFへの新資金供出が4300億ドル超になり、さらに増えそうな雲行きである。日本が先頭を切って最大の金額を約束したが、久ぶりに日本のプレゼンスが誇示された。

ヘッジファンドへの資金流入が目立ち、運用総額が21000億ドルを超えた。

最近のヘッジファンド業界をみていると運用者の新旧交代が目立つ。

代表例は昨年、最高の運用成績をあげたチェース・コールマンの出現である。

当年36歳の若手スターである。彼の運用するタイガー・グローバルの成果は2011年が+45%。一方、リーマンショック後にヘッジファンドの彗星として評価をとったジョン・ポールソンは大きな損失出した。

コールマンは一時はソロスと並んで2大巨頭といわれたジュリアン・ロバートソンのもとで薫陶をうけ、ロバートソンが2000年にファンド運用ビジネスから手を引いたときに、ファンドを立ち上げた。ロバートソンがシードマネーを出した。

ことしも+28%の成果を上げている

運用はヘッジファンド本来のオーソドックスな銘柄選択でアッププル(AAPL)、プライスライン・コム(PCLN)、マスター・カード(MA)、中国株BAIDUBIDU)が投資の上位に顔をだす。

だれにでも手が届くファンダメンタル分析から選んだ銘柄が主流であることは、われわれを勇気づける。


個人の弱気が異例な水準・・・NY株

2012-04-20 07:55:54 | 株式

悪材料には敏感なNY市場である。

週初めの2日間のNYダウは+71ドル、+194ドルと好調に推移したが、ここ2日間は-82ドル、-68ドルと元気がない。好調な決算発表が続くが、予想を下回る決算には容赦なく売りが殺到する。弱気ムードにある証拠のひとつはセンチメント指数である。

個人投資家のセンチメント指数AAIIは先週末に強気が28.1%、弱気が41.6%になった。3週間前は強気42.5%、弱気25.5%であった。

個人投資家が弱気なのはユーロ圏で間断なしに懸念材料が出ること、足元の景気指標のなかに弱い材料が散見されることだ。経験則ではこの指標は先行き相場にとっては逆張りのチャンス。

決算はS&P500のうち105社が発表したが80%が事前の予想を上回った。好決算に反応するのは1日だけであとは慎重な姿勢に逆戻りする。

そんななかで昨日のIPOは好調であった。トゥミ(TUMI)が公開価格の+47%、Splunk(SPLK)2倍で引けた。前者は高級旅行鞄のメーカー、後者は情報処理関連である。IPO市場の好転は5月に予定されているフエィスブックには好材料である。

東京市場は円相場の下落基調に注目。

ドル高が続くが、今回は円相場が焦点になっている。ヘッジファンドのなかには2月以来、久しぶりの円売りで利益をあげたところが散見される。


東京高く、NY安い・・・・プリスライン・コムは100倍になった

2012-04-19 08:59:49 | 株式

NY株は前日の大幅高の反動で-82.79ドルと反落した。

週初め2日間の上昇幅+265.95ドルの31は消えた。

前日はスペインの国債入札の好調を買ったが、この日は銀行の資産内容への不安感が台頭した。

ウォール街では決算発表をしたインテル、IBMの大型ハイテクが売られた。

ゴールドマン・サックスは24日に決算発表するアップルの目標値を$700から$750に引き上げたが株価は$609.70と小幅安。

ただVIX(不安)指数は18.62と前日の18.25に比べて大きな変化はない。

期待された4月相場であったが、前月末比では-1.3%と小動き。市場では積極的に株価を押上げるエネルギーは不足している。

これまでS&P500のうち56社が決算発表したが44社が事前の予想を上回った。それだけに積極的に売り込むという動きもみられない。

円をはじめ他の通貨に対してドル相場が堅調であった。昨日は対円のほかブラジルのリアルに対しても上昇が目立った。いずれも中央銀行の金融緩和姿勢で為替が軟化している。

東京市場も円相場の円安への反転が大きな注目点である。

ウォール街で最近、アップルと並んで人気のあるのがネット株のプライスライン・コム(PCLN)だ。株価はアップルと並んでの値がさ株で$800に迫る。世界160ヵ国の185000のホテルと契約して予約サービスを提供している。ITバブル崩壊後、株価の立ち直りは驚くべきで100倍近くになった。インターネット利用のもつとも優れたビジネスモデルである。

東京市場では一休(2450)に注目。両社の株価を比較しただけでも今後の成長性が期待できる。


NY㈱が昨年10月の展開に似る・・・・東京市場ではグリーに人気

2012-04-18 08:04:49 | 株式

NY株は大幅な上昇。この日は好材料が多かった。

懸念されたスペイン国債入札が順調な結果で終わり、好調なドイツの景気指標、IMFの世界景気の上方修正、米国企業の好決算が相場の原動力になった。

ハイテクのアッププルの株価が反騰した。S&P500指数には15%の寄与度がある。

相場の様相は昨年10月にNYダウが10,655ドルで底入れした直後の展開に似てきた。

牽引役は金融、ハイテクなど定番メニューである。

引け後、ショッキングなニュースが伝わった。史上最高の投資家であるウォーレン・バフェットが「がんが見つかった」と自ら公表したことである。健康に関しての変化があればいちばん先に投資家に伝えると言う約束を実行した。前立腺がんが検査で見つかった。健康に影響を与える段階ではなく7月から放射線治療を受ける。当年81歳のバフェットは「日常の仕事には影響はない」と公言した。バークシア・ハザウェイの株価は引け後1.5%の下落で大きな変化はなかった。

昨日の東京市場では久ぶりにグリー(3632)が大商いのうちに大幅高。きっかけはメリルリンチのアナリストの目標株価の引き上げである。58日の第3四半期の決算発表を前にアナリストとしては思いきった判断である。SNSゲーム関連株は最近の市場では悪役を演じてきた。高額課金が社会問題化するとメディアが騒ぎ、一部の企業の業績の鈍化も出ていた。証券会社のアナリストは先を争い慎重な評価を出していた。そのなかでの強気見通しを出すにはアナリストには相当な勇気がいったはず。

今週初め同業のKlab3656)の決算説明会では同社の真田社長が「大手のグリー、DeNA,ミクシィの好調は続く。業界の成長は鈍化していない」という旨の話があった。バフェットが株価分析に利用してきた「同業者の評価を重視する」というフィリップ・フィッシャー(邦訳「超成長株投資」/フォレスト出版」の分析手法からグリーやDeNAの評価ができた。真価を発揮したメリルリンチの分析であった。