バフェットが金相場の動きに関心を持ち始めた。これまでは金を運用対象とみて投資することはなかった。
しかし金鉱株のブルーチップといわれるバリック・ゴールドに投資したのには、バフェット通も驚いた。世間では金鉱株のブルーチップという定評のある銘柄だ。堅実な経営を通してきたが、バフェットはめずらしく2100万ドルを投資した。バフェットの資産運用の規模からすると、きわめて小さい金額で見落としてしまう。投資規模金額は別にして、金鉱株そのものに関心を持ち、ポートフォリオに加えたことにバフェット通は驚いた。
バフェットが、これまでの金についての見方を替えたかどうかを、今後の動きを注意深く追跡しなければならない。
第2四半期のSECへの報告書では、ゴールドマン・サックス、レストラン・ブランズを売却し、バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン、ウェルズ・ファーゴと代表的な金融株の比率を引き上げた。金融株は長年にわたってバフェットの銘柄選択の主柱で、今後ともポートフォリオの主力であることを誇示した。
バフェットはエネルギー関連を主柱にしてきたが、現在も変化はなく、ポートフォリオのメインシナリオには変化はみられない。
われわれが入手できるポートフォリオをみるかぎりでは、相場の先行きには慎重な姿勢を崩していない。
90歳の誕生日を通過したバフェットが、運用方針を変えるかどうかが大きな関心事である。