足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

慎重派が目立つ環境へ

2019-01-10 20:51:46 | 投資戦略
世界の相場の重要な操縦役として米連銀のパウエル議長が重要な役割を担っている感じが濃厚になってきた。昨年の12月相場は戦前の大恐慌以来の下落になった。景気は回復どころか12月相場では世界の株式市場から840億ドルの資金が流出したことに気がついた投資家は、ポートフォリオの変更に走り始めた。
景気の先行きについてソフトランディングどころか、景気動向がピークアウトしたという見方も出てきた。
先行きを楽観視して、金利の正常化に走っていた米連銀は態度を一変、正常化の姿勢を改め景気の先行きに警戒感を持ち始めた。
新年にはパウエル議長は「景気の動向について注意深い観察が必要になってきた」と一転して、これまでの正常化の政策姿勢についてコメントした。足元の景気指標に減速の兆しが見られ、ナスダック指数が先頭をきって軟化してきたからである。それまで全体の相場に先行してきた市場である。
昨年11月後半から本年2月初めまでにグローバル運用ファンドから急に資金が流出をはじめたからである。このような現象は2008年の金融危機いらいのことである。株式相場の動向は先行きのリセッションを織り込みはじめた。いままでは一時的な株価の調整場面と見る向きが多かったが、ナスダック指数の目立つ下落を見て2008年金融危機が投資家の頭にちらついてきた。
いまのところ明確なリセッション入りを裏づける指標は少ないが、警戒信号の点滅に連銀が大きな関心を持ち始めた。いまのところ株価の発する信号を重視する向きはまだ少数で、景気回復の信号は変わらないとみる向きが多数だ。

しかしこのような警戒感がみられるようになってきたことは確かである。
相場の先行きを見るのに赤信号が点滅してきたことは確実である。この現象を頭に置きながら投資を考える環境にはいってきた。