足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

英世論が残留に傾く・・・離脱問題

2016-06-20 06:17:20 | 投資戦略
今週木曜日の英国民投票が世界の投資家の最大の関心事になってきた。
先週後半の「離脱」派の優勢から、コックス下院議員の不幸な殺害問題が発生して、離脱派の優勢の見方が振り出しにもどり、結果は再び混沌としてきた。
これまでの経験則からしてメデイアの世論調査の信頼性は低いが、終盤にきて「離脱」派が優勢に傾いていたが、殺害事件後には同情と反省気分が出て「残留」派が盛り返し、再開された世論調査では「残留」派が逆転した。
英国ともっととも密接な関係にある大国米国の有力者たちは離脱には反対で一致しており、それに倣って世界の大勢も離脱反対で固まる。ウォール街は冷静で大きな株価の振幅もみられない。

今回の問題で関心が集まった金融商品の相場は円で、一時のスイスフランと入れ替わり、もっとも安全な資産という人気が高まり103.55円まで上昇した。日本の国力を買うよりも、世界の政治・経済の不安定なときの安全資産という位置づけが出来上がった。
この事実を政策当局はどう考えるか?先行きの日本経済を考える上では大きなテーマである。関心事は政策当局が動くかどうかにある。

今週のバロンズ誌は残留が決まれば米国株は別にして英国、ドイツ、スイス、日本などの株価の反騰は間違いないとみる。
先週末のPERは米国17.7倍、独16.1倍、スイス16.5倍、日本12.6倍、カナダ18.8倍であった。
年初来の騰落率は米国+1.7%、英国-4.7%、独-11.1%、スイス-13.4%、日本-19.8%で日本の下落率がいちばん大きい。
世界の株価が安定化方向に進めば、深押しの日本株にはテクニカル面ではチャンスが期待できる。