足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

政策当局に不信感

2016-06-03 08:23:58 | 投資戦略
NY株は続伸した。今週金曜日(本日夜半)には米雇用統計(5月)が発表されるが事前の予想では17万3000人増。
今月14日~15日の米連銀FOMCで利上げが検討されるが、決定は来月のFOMCに引延ばされるだろう。今月23日の英国でのEU離脱問題の国民投票の結果をみてからというのがウォール街での大勢の判断。NY相場の内容は銀行、バイオ、通信が買われが、コンピュータは安い。
世界の株価は落ち着きを取り戻すが、日経平均の下落が際立った。円相場の上昇が理由である。
政府の消費税の引き上げ延期は、日本の政策のふらつきに厳しい見方をする海外の投資家が多い。先の伊勢志摩サミット後の記者会見で首相がリーマンショックということばを9回も使い、消費税の先延ばし会見でも4回も出たことに、日本の政策当局の現状認識に違和感をもつメディアが多い。
世界の金融市場の現状は安定しており、安部首相が問題視する新興国の不安も時代錯誤とみる。
同時に先の日銀のマイナス金利政策への否定的な見方が続き、黒田総裁の市場とのコミュニケーションを問題にする。2013年~2015年と異なり総裁への信認は大きく崩れた。
円高再燃の最大の理由である。

本日の日経新聞のトップ記事にもあるように、企業の株主還元の姿勢の高まりで株価のファンダメンタルは大きく好転しているが、それらの好材料を帳消しにする政策当局の動きが株価の足を引っ張る。

通信社ブルンバーグは英語の「flip-flog」(フリップ-フログ/たがた鳴らして豹変)を当てて、現在の政策の運営を表現する。
株価は市場への参加者がつくることを当局は重視しなければならない。