ウォール街の今週の焦点は17日~18日に開催されるバーナンキ議長の議会証言である。5月の時はQE3(第3次量的緩和)の出口論の発言があり株価に大きな影響を与え5~6月の調整の原因になった。しかし先週のケンブリッジのエコノミストを対象にした講演会では、バーナンキ議長は5月の証言の内容を覆す発言をした。株式市場には安心感がひろがり出口論の勢いを削いだ。内容では失業率が6%台半ばになっても景気の足取りが明確になるまでは緩和策を続けるという。株式相場の動向が金融政策に影響を与えるという見方を市場に植え付けた。今週の議会証言ではこれを踏まえた話が出るかどうかが市場の焦点である。
昨日、発表になった米小売、在庫の景気指標は景気の先行きに楽観視できるものではなかった。ただ足元では第2四半期の好調な個々の決算に注目が集まり株式相場は堅調であった。東京市場も調整局面を脱して堅調な地合いになってきた。NY市場と同じように今月下旬から発表になる決算発表に関心が集まる。
引き続き自動車株の人気に乗りたい。富士重工業(7270)の第1四半期の営業益が前期比で4倍になった。内外での好調な売れ行きが業績の回復に貢献するが、成長の足掛かりを米国でつかんだのは大きな注目点だ。また日産自(7201)が新生「ダットサン」をインドでのシエア向上に復活させる。
自動車株には個々の人気が株価を押し上げる循環の流れが出てきた。