昨夜、日経新聞が「ソニーは米ヘッジファンドのダン・ローブ(サードポイント)の提案を受け社内で検討する」と報じソニー(6758)が急騰した。
ダン・ローブは発行株式数の6%以上を買い付け筆頭株主になったが、その後も買い増しを続けている。
日経新聞によるとダン・ローブは分社化にともない2000億円の資金を融資するとともに役員の派遣も提案した。
彼は昨年、低迷する米ヤフーの筆頭株主になり重役を派遣、その後のヤフーの活性化に貢献している。ヤフーの株主には満足感を与えた。
単なる「物言う株主」ではなく企業価値を高め株主の持ち分の値上がりを狙う。米国では当たり前の行動として、最近は前向きにとらえる見方が一般化してきた。
さすがに国際化の進んだソニーだけに、その後の迅速な行動は米国企業と同列に並べられ評価できる。
ウォール街にはメディア指数がある。関連株の動きを指数化したもので2010年1月から同指数は2倍になった。ソニーは同じ期間に-21%下落した。株主の資産を経営陣は十分に生かせていないからだ。
このような論理がウォール街では常識である。
ダン・ローブはこれまでハイテク株の分析が得意で資産を増やしてきた実績の持ち主だ。運用資産は1兆円を超えるが、レバレッジを効かすとソニーの時価総額2兆1000億円を超える資金を動員できる。
ソニーは揺さぶりに応じて活性化のスピードを速めるか?ソニー株には注目したい。