今週のウォール街は20日の連銀FOMC後に急落し、2日間でNYダウ平均は2.0%急落したが、終末には下げ止まり落ち着いた。連銀で期待したQE3(第3次量的緩和)が見送られ、ムーディズの欧米銀行の格下げの発表で、目先筋の空売りが相場の足を引っ張った。
しかし昨日は銀行株にショートカバーが殺到し、相場は反発した。
ECBが資金供給の担保の範囲を拡大、ユーロ圏がGDPの1%の財政支出を決めユーロ相場も反騰し、ウォール街のセンチメントの好転に寄与した。
ここ3年間の上昇相場の頭を抑えてきたのはユーロ圏での金融危機で、それが世界の金融株の人気の頭を抑えてきた。欧米では相場への金融株の影響度は東京市場よりはるかに大きい。特にリーマンショック以来、ヘッジファンドのポートフォリオに占める銀行株の比率が上がったのも一因である。
東京市場ではここ20年間の相場の低迷で金融株の市場におけるプレゼンスは継続的に低下してきた。
しかし相場の転換点では銀行、証券株の人気度は依然として高い。
昨年11月から今年の高値である3月まで、日経平均は+25%反騰したが、この間、銀行の代表的な人気株の三井住友の株価は+46%と市場平均の2倍の上昇率になった。同じように証券株の野村Fは+86%と市場平均を3.4倍もアウトパーフォームした。
目先、相場の中間反騰が続くなら東京市場でも金融株の動きに期待できる。