昨日も書いたがウォール街では米大手投資銀行ベアースターンズが運用するヘッジファンドの信用問題が大きな関心を呼んでいる。
同社では「ハイ-グレード・ストラクチャード・クレジイット・ストラティジーズ」という名でヘッジファンドを運用していたが、それに組み入れたサブプライム・ローン(低格付け住宅融資)の債権が大幅に値下がりし、追加担保の差入れが必要になった。そのために債権を流動化して担保不足を埋める必要に迫られた。市場で投売りするれば、売買されているほかの債権にも影響が出て、金融市場に大きな影響が出ることが懸念された。メリルリンチがそれを買い付けて、当面の危機を乗り切った。ベアースターンズの、当のヘッジファンドは年初来20%も下がっていた。
一連の話を聞いていると1998年9月23日のLTCM破綻の悪夢を想起させられたが、差し当たりはコトなきを得た。
一方、円相場が124円台に下落し5年ぶりの安値になった(ドル高)。
再び円のキャリー・トレードが話題になっている。
米国5.25%、ヨーロッパ4.0%、英国5.5%、オーストラリア6.25%、ニュージランド8%というのが、各国の中央銀行の政策金利であるが、日本は0.5%。
この低利の金利で借りて海外へ資金を移動するというのはきわめて単純明快な話である。
それに今年の夏は1兆5000円のボーナスと5兆円の配当が支払われる。
この様な円が狙い打ちされている。
いずれにしても東京市場での流動性の高さはこれから株式市場に反映される。