春先から調整していた海外のニッケル相場が底入れの気配をみせてきた。
気の早いむきは「底入れが近い」と強気に転換する向きも出てきている。
今回の調整のきっかけはLMEでの在庫の急増である。相場の火付け役であった中国の手持ち玉の増加は言われていた。
国内でのステンレス需要の増加に供給が追いつけず、早い目に原料の手当てを行ったというのが大方の一致した見方である。それに中国の投機資金が絡んだとも言われている。
しかしステンレスの需要は一向に衰えず、製品の供給はタイトである。
今回の反騰のきっかけは米国景気の予想以上の好調のニュース、ドル高、中国筋の再出動のほかインドの買いも言われている。新興国の需要はこれからも続くという。
本日の東京市場でもニッケル関連株が強かった。住友金属鉱山(5713)、太平洋金属(5541)、日本冶金工業(5480)、日本金属工業(5479)などである。
これらの企業の2007年3月期の業績は絶好調であった。
このことは「トリトンスクエア通信」でも何度か触れた。われわれの関心事は2008年3月期がどうなるか?前期に2倍近い増益率を達成した企業もあるが、今期はニッケル相場が業績のカギをにぎる。
経営者は「だれにも相場の動きは分からない。上昇を続けるのか?下降トレンドに入ったのか?」と説明会では慎重であった。しかし見通しの数字は強気だ。
内心は自信があるような感じを受ける。
日本精線(5659)に注目。上記の銘柄のカゲに隠れて株価は地味な存在であるが、本日も小幅高であるが新高値。
もともとステンレス関連では優等生的な存在の企業である。