今週はNY株にも安心感が広がってきてる。3月初め以来の調整であったが、市場には依然として懸念材料も残る。
債券利回りが上昇し長い間、4%台であった長期金利は5%台に定着してきた。石油価格の高止まり、インフレ懸念である。しかし昨日、発表になったCPI(消費者物価)のコア(エネルギー&食料品を除く)は+0.1%(4月比)で安定しており、予想の+0.2%を下回った。バーナンキ議長が重要視している指標である。このため長期金利の上昇も景気の好調のためと、強気筋に自信を植え付けた。
グリーンスパン前議長がしばしば口にした「短期金利が長期を上回るという謎」が解消した。
これまでの相場の上昇を支えてきた大きな材料はM&AやMBOなどの買収である。金利の上昇が、この点に影響を与えるのではないかという懸念もある。しかし世界的な流動性が米国のM&Aを逆戻りさせることはないし、東京市場はこれからが本番である。
債券の利回りの上昇が資金を株式から債券へのシフトを起こすという懸念もある。
しかし7月にははいれば第2四半期の決算発表が始まる。金利の上昇懸念を経営者がどのように受け止めるかが、われわれの関心事であるが、いまの手元流動性の豊かな米国企業には大きな影響が出ないという見方も強い。PERは歴史的にみても平均的な水準にある。
東京市場も下値不安は小さく、相場は目先、調整も終幕にきた。
物色人気の循環現象(ローテーション)が始まる。