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ポスト・コロナの世界

2020-05-15 00:00:00 | 主張
 米国著名投資家のウォーレン・バフェットが率いる投資会社バークシャー・ハサウェイは、保有していた40億ドル相当の米航空株をすべて売却したという。新型コロナウイルスの感染拡大の悪影響が続いていることがその理由だ。バフェット氏は「外出制限が人々の行動に与える影響は分からない。3~4年後に、昨年までのように飛行機に乗るようになるのか見通せない」と悲観的な見方を示したとのことだ。

 近年、世界はグローバル化を推し進め成長してきた。グローバル化が意味することは「人と物の移動」だという。ウイルスは目に見えない。皮肉なことにグローバル化がウイルスの拡散を助長してしまったことは否定できないだろう。コロナウイルスは人々の生活様式を大きく変えただけでなく、今後、グローバル化によって拡大を続けていた経済に大きなダメージを与えることは容易に想像がつく。これからの世界、日本の経済のことを考えると本当に深刻な気持ちになるのだが、そうも言っていられない。こういう時でこそ、少しでも前向きなことを考えてみたいものだ。

 今回のコロナウイルスによる外出自粛で分かったことが2つある。

 1つは、今までの習慣によらなくても生活していけるということだ。満員電車に揺られて、みんなが同じ時間に出社する必要はないし、ゴールデンウイークだからといって、わざわざ混雑する観光地に行かなくてもいい。会議に集まらなくてもいいし、無用な飲み会にも出なくていい(私は飲むのが好きなので別にあってもいいのだが)。もちろん多少の不便や不満もあるが、工夫次第で何とかなるものだ。逆に、日本では制度としてなかなか進んでこなかったフレックス勤務やテレワークが、この機会に社会に浸透すればいいと思うし、連休になるたびに集団で移動をする悪習がなくなればいいのにと心の底から思う。要するに、各人のライフスタイルが尊重される世の中になれば、みんながハッピーではないかと。

 もう1つは、人は人とのつながりがないと生きていけないということだ。会いたい人に、会いたい時に、何の障害もなく、自由に会うことができるというのは、実は本当に幸せなことなのだと、外出自粛で気づかされたのである。ジジババのもとに孫を連れていくこともできないし、友人と気軽に会うことすらままならない。普通にできていたことが得体の知れないウイルスのせいで制限されるのは本当に苦痛である。今後、徐々に自粛制限が緩和されていくだろうが、ある程度ウイルスをコントロールできるようになるまでは以前のように自由に動くことは難しいかもしれない。自分の身を守ることはもちろんのことであるが、周りの人、巡り巡って大切な人を守るために、できることは引き続きやっていきたいと思う。

 冒頭のバフェットの発言にもどる。新型コロナウイルスの感染拡大によって世界は変わってしまった。ポスト・コロナの世界は、以前の世界に戻ることは難しい。だが、これまで幾多の危機を乗り越えてきたように、人類はこのウイルスにきっと勝つだろう。その時、ポスト・コロナの世界をより良い世界にしていくため、我々に何ができるか考えていかなければならない。

東海地本 KH

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