ZENZAIMU(全財務公式ブログ)

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「異次元緩和」への期待と不安

2013-04-12 23:51:28 | 日記
今月4日に日銀が決定した「量的・質的緩和」。現在のところ、そのアナウンス効果は絶大で、株価は13,000円台を回復し、円相場も1ドル=100円台に迫っています。黒田東彦総裁自ら「これまでと次元の異なる金融緩和」と表現した今回の金融政策は、債券相場の乱高下を招いてはいますが、概ね市場からも高い評価を受けているようです。

しかしながら、長期国債の保有残高を年間50兆円のペースで増加させるということは、海外からは形を変えた「財政ファイナンス」との評価を受けるおそれもあり、今回の金融政策は両刃の剣とも言えそうです。仮に市場からそのような評価を受けることになれば、国債価格は暴落し、JGBを大量に保有している日本の金融機関の経営破綻を招き、インフレの進行と相俟って経済はガタガタになってしまいます(リフレ派の論客の方々は異口同音に「そのようなことは起こり得ない」とおっしゃいますが…。)。

いずれにせよ、「財政ファイナンス」批判をかわすためには、財政再建策も並行して進めていく必要があるのだろうと思うのですが、これだけの大胆な金融緩和に対応するには、抜本的な財政政策の見直しも議論の俎上にのぼってくるかもしれません。そうなると、社会保障費や公共事業費の議論には時間がかかるでしょうから、またしても国家公務員給与減額論が台頭してくるのではないかと危惧しているところです(本日付の日経にも国家公務員の給与に言及した記事が掲載されていました。)。7月実施予定の参院選の公約の骨格が、5月の連休明け後から見えてくるのではないかと思うのですが、各党がどのようなものを示してくるのか、注目しなければと思っています。

さて、今春闘期は、内閣からの異例の賃上げ要請も功を奏したのか、大企業では一時金の増額で妥結という事例が続いています。現内閣としては、この流れが個人消費の拡大に結びつくことを期待しているのだと思うのですが、国家公務員も一生活者であることに変わりはないわけで、世間もそのように観点を変えてくれないものかと願うばかりです。

話は飛びますが、今月8日は釈迦の誕生日とされています。いわゆる「花まつり」です。全国各地の寺院で、それにちなんだ行事が行われたようです。
ところで、この花まつりから生まれたという説がある言葉に「おシャカになる」があります。「失敗して物をダメにしてしまう」という意味です。江戸時代の鍛冶職人が、鉄をあぶり過ぎて金物をダメにしてしまった。で、その原因は何かというと「火が強かった」。これを江戸の訛りで発音すると「シがつよかった」=「4月8日だ」ということで、鍛冶職人の間での隠語になったというものです。
一連の経済対策で、かえって国民生活が「おシャカになる」ことがないよう、切に望んでいます。

【ふく福】