一昨日までの夕方に必ずあった夕立も今日はなく、又蒸し暑さが戻ってきた。朝の出勤時も、夕方の帰宅時にも歩くと汗が滲み出る。気持ちが悪く、玄関のカギを開けると、シャツを脱ぎ捨て風呂場に直行することとなる。汗を流すとさっぱりして、取あえずのコーヒータイムの時間を取る。短い休憩時間の後は、面倒臭くもこれから水をやり、熱帯魚に餌を与え、最後に我々のご飯作りに取り掛かることになる。
職場では毎日のように終業後、事務所を出るご婦人方々は、今晩はなにしようかなぁ・・などと誰に話し掛けるでもなく独り言のように、又、誰にも聞こえるように、晩ご飯のメニューを考えながら、家に帰っておる光景が日常的にある。私も人ごとではなく、何しようかなぁ・・の部類である。ところが今日は、既に決まっておるのだ。昼間弁当を食べながら、Mさんや他の人に昨日の晩は奥さんがなにを作ってくれたか・・などと訊ねると、一人の人は、スパゲティと返事が返ったので、即座に、今晩は家もスパゲティ、しかもミートスパと決めていたのである。
3男が用事で帰ってきた。私のスパゲティを見た吾が息子は、途端に食欲が失せたようだ。茹でたスパの上に乗っけるミートは面倒臭いのでパス。私のスパは作家椎名誠の推奨するやつ・・茹でたスパにかつお節を乗せマヨネーズをかけるだけの超簡単スパ。コレは美味いのだ、にもかかわらず3男は食べる気がしない・・・とのこと。ありゃりゃせっかく作ったの食えよ・・と押し付けた。
夜1軒となりのHさんがやって来た。夕涼みをしようか、と誘ってきた。立脇バレエスタジオの駐車場に椅子を持ち込んでゆるやかな気持ちのよい夜風にあたる。気持ち良いそよ風に吹かれながら、耳に入るコオロギのコロコロと鳴く声が大きかった。もう秋の虫が一斉に鳴き始めている。