『嘘であってくれ!中国高速鉄道の米進出「頓挫の危機」、米企業が中国側との提携打ち切り』という記事を見てこのブログを書いてみた。理由は簡単だ。中国の交通システムをアメリカが取り入れれば、アメリカの通信網を中国鉄道会社に公開しなければならない。そうすると、鉄道のみならず、航空通信システムへも入り込むことが可能になるからだ。そうなると、アメリカ大統領のみならずすべての閣僚の動きが中国側に漏れてしまう。アメリカにとって、中国に交通システムへの侵入は極めて危ないことになってしまうのだ。
一つのシステムだからと言って油断することは出来ない。今でも、アメリカに留学している中国人たちから多くの先端技術が中国に流れているのである。アメリカは自由主義国家である。基本的に自由に物事が進められる。そこが中国との違いである。情報通信網を中国に握られたらアメリカ社会は崩壊する。それこそ太平洋を2分するどころではない。若しも情報通信網を中国に握られればアメリカの心臓部に入り込んだも同然になる。
今後、中国がアメリカの鉄道建設に拘われるとしたら、単に鉄道を造ることだけ、単に車両を購入するだけ、という形になるだろう。鉄道を動かすためのシステム、車両を制御するための制御システムなどは中国には公開しないだろう。今回、中国との鉄道建設の合弁企業を取り止めたのは、鉄道システムへ中国を侵入させないための手段だったのではないか。物を造る、という行為は認めてもシステムへの係りは認めない、という考え方が浸透しているのではないか。
問題は、中国が今後どのような手を使って鉄道建設に入り込んでくるか、である。今回のようなケースを考えた上で、別の手を考えるはずだ。考えられるのは、中国の資本関係にあるヨーロッパの企業を参加させることではないか。ヨーロッパには中国の資本を取り入れた企業が多くある。表面的に見るとヨーロッパ企業であるが、中身は中国との係りがある。アメリカに直接中国資本の合弁会社を作った場合に、今回と同じようなことが起きる可能性は出てくる。欧州とアメリカと中国とのコンソーシアム形式にすることも考えられる。
いずれにしても、中国と単独でアメリカと合弁企業を結ぶことは出来ないだろう。アメリカの通信システムに入り込みたい中国はどのような手を使って入り込むだろうか。巧妙な手を使うことは確かだ。