昔から言われているのは「自主独立」という言葉。一見して綺麗に聞こえるが、世界を見回しても完全に自主独立を実行している国は存在しない。永世中立国と言われているスイスはどうか。スイスは世界のどの陣営にも属さないというが、本当にそうだろうか。世界はそれほど甘くはない。中国、ロシアを中心にした共産主義圏、アメリカとヨーロッパ、日本を中心にした資本主義圏、その他、独特の独裁国家が存在する。
日本がアメリカやヨーロッパの資本主義圏から離脱して一体何処の陣営に行くのか。何処の陣営にも属さないで世界を相手に何かできるのだろうか。北朝鮮は何処にも属さないように見えるが経済から見たら完全に中国の属国である。韓国は朴大統領が中国の方に目を向けすぎてアメリカからは冷たい扱いを受けている。世界を相手に喧嘩をするわけではないが、単に仲良くやろう、という考え方には無理が生じる。
日本は中国と海を挟んで隣国である。今の中国は国土拡大主義に走っていて極めて危険である。そこには嘗ての帝国主義的な考え方が垣間見える。周辺国に対して威圧的な行いを繰り返し、軍事力を見せつけるような振る舞いをしている。日本が野党政権になったら中国に大接近するだろう。アメリカとの関係が薄くなれば当然庵p体制が変わる。日本がアメリカから離れ中国と安保協定を結ぶのだろうか。
中国と日本が大接近したら果たして日本の将来にプラスに働くだろうか。今、日本が平和であるのは一体どうしてなのか。別にアメリカが守っている、というからではない。それでは中国は日本を守ってくれるのか。そんなことは今の中国の行動から考えられない。中国の覇権主義はそんなに甘いものではない。中国にとって日本は太平洋への出入り口として利用するだけだ。
日本がアメリカと中国のバランサーになるという考え方もある。しかし、韓国の事例を見ると風見鶏になって果たしてプラスに働いただろうか。力がある国がバランサーになるのならともかく、そうでもない国がバランサーになるのは並大抵のことではない。それこそ、日本が軍事力を持って入れのならともかく、平和主義を徹底している国はアメリカと中国のバランサーには成れない。左翼は理想と現実を履き違えている。世界は理想だけでは動いていない。少なくとも中国共産党の野望に負けてはいけない、ということだ。