カクレマショウ

やっぴBLOG

ホリスティックなものの見方

2006-10-27 | ■つながり・コミュニケーション
先日、金香百合(きむ・かゆり)さんの講演会「大切な子どもたちのために 今親や大人にできること」を聴く機会がありました。

キーワードは、「対人援助」、「ホリスティック」、「自尊感情」でしょうか。

参加者のほとんどが家庭教育・子育て支援の活動に関わっている方。つまり「対人援助者」であるというところから、対人援助者は「当事者」の夢や自己実現に向けてどのように関わっていけばいいのか、「自分を知る」ところから始まる「人間力」、競争がすべてではない「社会力」、はなす・きくの「対話力」の3つの力が必要だと金さんは説きます。

たとえば、子育てが30年前と比べて明らかに大変になっているように、今の社会は30年前と比べて、明らかに違う。何が違うかといえば、みんな「バラバラ」なところ。心と体がバラバラ、知識と実践がバラバラ、家庭内もバラバラ、人間関係もバラバラ。これに対して、つながり、かかわり、バランス、関係性といった言葉で象徴されるのが「ホリスティック」ということ。つまり、全体的で総合的で包括的に物事を考えたりとらえたりしようということです。

で、その基本となるのは「自尊感情」。自分のことを、欠点も含めて丸ごと肯定的に思う感情です。“わたしOK”。ただし、自尊感情が「ジコチュー」(自己中心感情)と決定的に異なるのは、“わたしOK”だけでなく、“あなたOK”が加わることです。自分も認め、相手も自分とは違う存在として認める。「バラバラ」な社会では、子どもたちも大人たちも自尊感情を持ちにくくなっているので、その言動は、「後ろ向き、否定的、消極的、上下の人間関係、性役割にこだわる、非合理的、謝ることができない、自己否定・他者否定」といった形になりがちです。

そこで登場するのが金さん独自の「栄養理論」。自尊感情を高めるためには「こころ」と「からだ」の両面の栄養をバランス良くとることが大切なのです! 「からだ」の栄養とは、「たべる」、「ねる」、「うごく」の3つの栄養。そして「こころ」の栄養は「安全・安心」、「ほめる」、「笑顔」など10個の栄養。栄養をちゃんと心身に取り込むと、心身はエネルギーにあふれた状態となり、自尊感情も高まるというわけです。

「いじめ」も、突き詰めれば、自尊感情の低さによるものだと言えます。自分自身をきちんとわかってないから人の痛みもわからない。自分に自信がないから、他の人に左右される。

家庭でも学校でも、「他人に迷惑をかけてはいけない」とは教えますが、「自分を愛しなさい」とは教えません。でも、まず自分をちゃんと愛することからすべてのコミュニケーションは始まるのかもしれない、と改めて思いました。


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