カクレマショウ

やっぴBLOG

伝える伝わる

2008-03-08 | ■テレビ/メディア
先日紹介した「掃除教育セミナー」には、地元テレビ局がNHK含めて4局すべて取材に来てくれました。実際に先生方が教室を掃除します、という前フリが効いたのでしょうか、テレビ的には「絵になる」と考えたのかもしれません。

当日朝、新聞のテレビ欄を見たら、夕方のニュースのところに、「教員が掃除を学ぶ」という見出しがずらっと並んでいました。なんだか少しいやな予感がしました。セミナーの合間での各局の取材では、やはり「キャリア教育って何ですか」という質問も数回受けました。「そもそも」の部分から説明しなくてはならない。

主催者の意図は、あくまでも、学校における清掃の時間を「キャリア教育」としてとらえられないかという問いかけにあります。その考え方や具体的な進め方のノウハウを教員が学ぶ、というのがねらいです。でも、テレビ局にとっては、「それも大事。大事だけど、先生が掃除の「仕方」を実践を交えて勉強しています、ということ自体が珍しいんだよね」ということなのでしょう。主催者としては、「報道してくれた」だけで感謝しなくてはいけないのでしょうが、そういうとらえ方、伝え方をされるとちょっと釈然としないものも感じます。まあ、時間の限られた中で、何もかも伝えるというのは厳しいことではあつのは重々承知のうえですが。

実際、放送された番組を見てみると、やはり、「掃除のプロ・ダスキン」が先生方に掃除の「ノウハウ」を教えてくれたという取り上げ方がほとんどでした。中には、こうして学んだ「ノウハウやテクニック」を、学校に持ち帰って生かしてもらいたいというコメントも。確かに、教室掃除の効率的なやり方も教えてもらいましたが、ノウハウだけじゃなかったのになあ。

それにしても、同じ素材を扱っても、各局それぞれに伝え方、取り上げ方は微妙に違うものだということを改めて感じました。要は、取材した人のとらえ方、考え方なのですね。報道は公平・公正が原則、とはよく言いますが、実際には「公平・公正」の基準でさえ人それぞれで異なるのですから、「公平・公正」な報道なんて限りなく無理に近い。主催者が「伝えた」つもりでも、ちゃんと伝わっていなかったなんてことは、考えてみれば当たり前のことなのかもしれません。

ただ、NHKだけは、前後のアナウンサーのコメントやナレーションによって、主催者側の意図をできるだけ正確に伝えようとしてくれていました。つまり、掃除活動をとおして、子どもたちに様々な「力」を身につけさせることができるということ。学校の清掃活動は、学習指導要領のどこにも示されていないからこそ、学校や教員の工夫が求められるということ。そこまで言ってくれたら本望です。

新聞は2社が取材して記事にしてくれましたが、概ねきちんと書いてくれました。読売新聞は、「一日十数分のことでも、社会で必要とされる力が身につくことを学びました」という参加者のコメントを取り上げてくれていましたし、河北新報も、「掃除は子どもたちのコミュニケーションを深める。セミナーで学んだ計画作りを今後の指導に生かしたい」という参加者の話を紹介してくれています。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿