オルケスタ・デラ・ルスとケイコ・リーのジョイントライブがありました。六ヶ所村で行われたSwany Jazz Story gift-III です。
会場の六ヶ所村文化交流プラザ「スワニー」を運営する財団法人六ヶ所村文化振興公社が企画するジャズ・ストーリーの3回目。「最終章」の今年は女性ボーカリスト2人を迎えての競演です。
前半はデラ・ルスのパフォーマンス。11人のブラスを率いるボーカルのNORAのパワーがのっけから炸裂していました。オルケスタ・デラ・ルスについては、サルサバンドだということと、いつだったか紅白に出たことあったなーということぐらいしか知りませんでしたが、サルサのリズムって気持ちいいなと思いました。NORAの歌唱力にも脱帽です。何でもサルサの本場カリブのツアーから帰ってきたばかりということで、その熱気は青森にも十分伝わってきました。会場はおとなしめのJAZZファンが多い感じでしたが、NORAの巧みな誘導(─?)により、最後はけっこうノリノリでした。
休憩をはさんで、後半は今をときめくジャズボーカリスト、ケイコ・リーが4人のバンドを率いて登場。
女性ジャズボーカルといえば、その昔、青森にサラ・ヴォーンが来た時に聴きに行きました。その時も感じましたが、やっぱりジャズボーカルはジャズバーでグラスを傾けながら聴くのがいいのです。5~6年前に東京・銀座の小さなジャズバーで、それほど有名でないシンガーのライブをたまたま聴いたことがありました。女性ボーカルのライブでは、あれが私にとっては一番印象に残っているライブです。その場の勢いで彼女のCDも買い求めましたが、実はあんまり聴いてない。あの場のあの時間の雰囲気は、CDでは味わえないからです。ケイコ・リーもあんな感じで聴けたら…とつくづく思いました。
1曲目からあの印象的な「ヒューマン・ネイチャー」のイントロ。マイケル・ジャクソンの「スリラー」収録のバラードです。名曲です。ケイコ・リーはアルバム「Voices」で歌っていますが、ナマで聴く方がもちろん格段にいい。CMに使われて話題となった「ウィ・ウィル・ロック・ユー」。クイーンのあんなに耳慣れた曲がジャズ風にアレンジされて、完璧に「ケイコ・リーの曲」になっているのが不思議です。ほかにも、ボサノヴァ、日本語の曲、ロックと約10曲をMCなしで矢継ぎ早に歌うケイコ・リー。彼女のしぶ~い歌声が会場をとてもいい雰囲気にしてくれていました。
そんな中で迎えた本日のラストステージ。NORAとケイコ・リーの文字通りのジョイントで「スタンド・バイ・ミー」を披露してくれました。これはいい選曲でした。やられたーと思いました。二人のバンドメンバーも次々に登場し、それぞれにアドリブ満載の粋なパフォーマンスを見せてくれます。サルサでラテンでロックでボサノヴァでジャズで。いつまでも余韻に浸っていたいと思うくらい、笑顔で締めくくられたとても楽しいステージでした。
ところで。
会場の六ヶ所村といえば、日本で唯一の原子燃料(核燃料)サイクル基地のある村です。原子燃料サイクルとは、使用済み核燃料を貯蔵、再処理して「再生」するしくみです。この施設を受け入れたことで、かつての過疎の村が、いわゆる「電源交付金」で潤う村に生まれ変わりつつあります。今回の会場の「スワニー」もその「電源交付金」で作られた施設です。
今朝の新聞が、その六ヶ所村使用済み核燃料再処理工場で、先月に引き続き、また男性作業員が被曝する事故が起きたことを伝えています。また、今日はたまたま六ヶ所村村長選挙の投票日。かつて、サイクル基地建設をめぐって村を二分して争われたことがウソのように、今回は「反対派」が候補者の擁立さえ見送らざるを得ない状態。県外出身者の「反対派」女性が候補者受付締切ギリギリで立候補しましたが、これでは選挙戦にもならない。既成事実として着々とサイクル事業は進み、その恩恵で豪華な文化事業が次々と提供されていきます。一方では「安全」を脅かすような事故はやまず、農林水産業への風評被害も依然として懸念されています。
ものすごく楽しいライブだったこと。それが六ヶ所村で行われたものであること。帰りの道で煌々とした灯りに照らされたサイクル施設の建物を見ながら、この二つを切り離して考えてもいいものかと考えさせられました。
ただ、微妙だなあと思ったのが、やっぴさんが指摘の通り、ホール設立が、原燃のお金であること。すると、あの料金で開催できるのは、それも原燃補助金のおかげでしょうか?また、やっぴさんの給与の一部である財源も?
だから、その恩恵(素晴らしい音楽や日常の糧)を受けつつ、否定する矛盾というか・・。東京で倍の値段で聞くことができれば、満足したのかもしれませんが・・微妙です
コメントありがとうございます。
たぶん、どこで聴いてもいいものはいいに決まっていますが、あの時はちょっと考えさせられました。そうですね、金額のこともありますね。東京(というか普通の場所?)じゃ考えられないチケットの値段でしたから。
あの夜は星もきれいでしたけど。
コメントありがとうございました。
基本的には六ヶ所村のことは村民の皆さんが決めればいいことだと思いますが、六ヶ所村にはそれだけでは済まない要素があるのかなとも思いますね。既に「六ヶ所村」は単なる地名ではなくなってますね。