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カクレマショウ

やっぴBLOG

バハイ教

2005-09-16 | └人権教育・学習
人権の学習会で、ある大学の先生の講演を聴きました。米国人の女性で、もともとクリスチャンだったそうですが、若い頃に「バハイ教」に改宗したのだそうです。

「バハイ教」だって?

今日の学習会に向かう電車の中で『ファウジーヤの叫び』(ファウジーヤ・カシンジャ、レイリ・ミラー・バッシャー著、大野晶子訳、ヴィレッジブックス)という本を読んでいたところ、ちょうど「バハイ教」の話が出てきたばかりだったので、本当にびっくりしました。

なんだか最近、そういうことが多いような気がしています。全然結びつかないところで、一つのキーワードがリンクする。この現象はいったい何なのでしょう?

それはともかく、「バハイ教」です。

講演は、人権とは何か、というテーマで、世界人権宣言の条文を掲げながら、「人権」とは歴史的には新しい概念であること、「すべての人」のとらえ方が時代や国によって違っていること、また、米国と日本で女性の役割やジェンダーのとらえ方が微妙に異なっていること、といった内容のお話しでした。

「バハイ教」の話は、最初に自己紹介がてら、ちらりと出てきただけなのですが、宗教や信仰と人権との関わりについてもう少し聞きたいと思ったので、『ファウジーヤの叫び』を引き合いに出しながら、最後に質問をしてみました。

『ファウジーヤの叫び』は、アフリカ・トーゴに住むイスラム教徒の少女が古い伝統に抵抗して米国に亡命する云々というノンフィクションです。彼女が育った社会は完全な父権社会で、イスラムの教えともあいまって、女性は極めて低い地位に置かれています。バハイ教は、イスラムをベースにしながらも、男女平等や女性の教育の重要性、そして人種の調和を唱える宗教。イスラム社会では当然迫害されてきた歴史がありますが(特にイランで)、むしろ近代思想の影響を受けたその教えはヨーロッパや米国で受け入れられました。この本の中では、主人公ファウジーヤを救うことになる米国人女性レイリがバハイ教信者として登場します。

「あらゆる宗教には、女性の重要性が説かれている」と先生はおっしゃいました。女性は男性に従うべきと説き、一夫多妻制を認めるイスラムでさえ、創始者のムハンマド(マホメット)は、女性の存在を尊重し、守られなければならないと説いていたと。

それはしかし、「男女が平等である」ということではありません。あくまでも男性が「主」で、女性は男性に庇護される「従」として存在するということにすぎないのです。イスラム世界に限らず、男女間の差別には長い長い歴史があるのは厳然たる事実であり、それを変えていくのは容易なことではありません。ただ、「人権」という名のもとに、人類の歴史上初めて、名実ともに「すべての人」の平等が主張され始めた時代に私たちが生きていることもまた間違いのない事実です。

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