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カクレマショウ

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私の好きなアルバム#15 吉田拓郎「Live'73」(前編)

2006-06-16 | ■私の好きな歌
先日、小雨の降る中、クルマで1時間ほどの町まで出張した際、BGMのCD、なんかしっくり来るのがなくて、信号待ちのたびに取っ替えひっかえしていました。そしてついにカチリとはまったのが、久しぶりに聴いた吉田拓郎のこのアルバムでした。

書きたいことがたくさんあるので、前後半2回に分けて紹介します。

タイトルどおり、1973年11月26日~27日の2日間にわたって東京・中野サンプラザで行われたコンサートのライブアルバムです。このアルバムは、私が拓郎と初めて出会った記念すべき1枚なのです。中学2年の春のことです。部活の先輩がカセットテープに録音してくれた1本のカセットテープ。90分テープのA面にかぐや姫のライブ、そしてB面に拓郎のLive'73という取り合わせでした。どちらにしても私にとっては初めて聴く「フォークソング」。ああ、あれは運命の分かれ道。かぐや姫に走るか、拓郎に酔うか。それはそのまま学校内での「フォーク派閥」にもつながるのです! で、私はもちろん拓郎派に属することになったのです!(ひそかにかぐや姫も好きでしたけど…)。

「Live'73」は、拓郎のオリジナルアルバムとしては、「青春の詩」、「よしだたくろうオン・ステージ ともだち」(ライブ)、「人間なんて」、「元気です」、「よしだたくろう・オン・ステージ第2集」(ライブ)、「伽草子」に次ぐ7枚目、ライブ盤としては3枚目にあたります(「第2集」は、本人の了解を得ずにレコード会社が勝手に発売)。たぶん、デビューから拓郎を追ってきたファンにとっては、多少ぶっとんでしまったアルバムかもしれません。同じライブでも、アコースティックギター抱えて数名のバックバンドで演奏していたそれまでのライブとはまったく趣が違うのですから。拓郎は、エレキギターを手にし、バックにブラス、ストリングスを含むビッグバンドを抱えて「ロック」しているのです。アレンジと指揮は瀬尾一三。数年前の全国ツアーで、同じ瀬尾氏がタクトを振ってビッグバンド復活のステージを見せてくれたことを改めて思い出します。ツアーといえば、PAや楽器などステージ道具一式をトラックに積み込んで全国ツアーを日本で最初にやったのが拓郎なのです。やっぱりパイオニアですよ、拓郎は…。

1 春だったね '73
オリジナルは「元気です」の1曲目ですが、ここではアレンジを全く変えてきています。イントロの鋭いギターでいきなりガツーン!ときます。ギターを弾いているのは高中正義。かっこよすぎ。

2 マークII '73
メドレーで続ける2曲目は拓郎のデビューシングル「イメージの詩」のB面に収められている「マークII」。アマチュア時代に作った曲ですが、根強い人気のある曲です。この曲を作った時に乗っていたのがマークIIだったことからこんなタイトルにしたらしい。これもオリジナルとはアレンジが全く異なり、イントロを経て拓郎が歌い出したとたん、客席から「おー、マークIIかよ~」という感じの拍手が聞こえてきます。

アレンジを変えた2曲を歌い終わってMC。「もうこんな歌も滅多に歌うことはないと思って…」と拓郎は語っていますが、「春だったね」は、ずっと歌い継いできており、最近のツアーの1曲目で歌ったりもしています。

ところで、このアルバムの音質は演奏に比べて歌のレベルが非常に低く抑えられていて、せっかくの拓郎の歌声がもったいないなと思っていました。加えて、MC部分はさらに低レベルで収録されているため、曲部分のボリュームで聴いているとほとんど聞き取れません。拓郎のしゃべりを聴きたくて、その部分だけボリュームを上げていると、いきなり次の「君去りし後」のどでかいイントロが始まってあわててボリュームを下げる、という経験は、きっと多くの人が共有しているのではないかと思います。

3 君去りし後
岡本おさみ作詞。「君が去った後は/てんではっぴいになれないんだよ」という歌詞が好きでした。このアルバムは、13曲中8曲までが岡本作品で占められています。「旅の宿」や「襟裳岬」といったヒット曲にも見られる岡本おさみ氏の独特の詩の世界を堪能できるアルバムでもあるのです。

4 君が好き
これも岡本作品。「バネのきしむ喫茶店で/トーストをかじりながら/草笛のように笑う/そんなこわれやすい午後に/君が好きだ」。シュール&クールなこんな歌詞がいい。

5 都万の秋
都万(つま)とは、隠岐島の小さな漁村の名前です。「旅の宿」、「襟裳岬」、「落陽」、「竜飛岬」といった岡本おさみの「旅シリーズ」の一編。『旅に唄あり』という岡本氏の本を持っていますが(なぜかサイン入り!)、実際に彼がどんな旅をして、どんな状況からこれらの「唄」が生まれたのかを知ることができて興味深い。ところで、私は大学3年の春休みに山陰を旅したのですが、隠岐島に渡り、もちろん都万にも行ってみました。さびしい漁村でしたが、季節はずれの旅人を暖かく迎えてくれたことを覚えています。

6 むなしさだけがあった
「春だったね」の作詞者田口淑子の歌詞によるしっとりとした1曲。あの頃の拓郎の声らしい歌いっぷりがいいですね。

7 落陽
言わずと知れた拓郎のスタンダードナンバー。ガットギターのかっちょいいイントロ、盛り上がっていくブラス、「しぼったばかりの夕日の赤が」、「苫小牧発仙台行きフェリー」、「みやげにもらったサイコロふたつ」。旅の断片を印象深いフレーズに乗せた岡本おさみの詞。じっくり聞くたびにいまだにゾクゾクします。ずっとあとになって、別アレンジでセルフカバーしていますが、やっぱり落陽といえば、このアレンジでしょう。カラオケでもたまにセルフカバーのアレンジの方があったりしますが、ちょっとがっかりしてしまいます。

(後半に続く…)
よしだたくろう「Live'73」>>Amazon.co.jp



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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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はじめまして!! (setotchi)
2007-06-04 15:25:43
setotchiと申します。
僕は20代ですが拓郎の大ファンです。
このアルバムは最高ですね!!
返信する
Unknown (やっぴ)
2007-06-06 00:04:20
setotchiさん
こんにちは。

20代の拓郎ファンとはうれしいですね!
30年以上も前のこのアルバムのすごさを
感じ取れるなんてうれしいですね!
返信する

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