相次いで起こった中学生の悲劇には、ご遺族の心情を察するに、言葉もありません。
昨日の、八甲田山中での火山性ガスによる中毒死と見られる事故は、家族・親戚でタケノコ採りに来ていたさなかに起るというまことに痛ましいものでした。八甲田では、十数年前にも自衛隊の訓練中に3人が火山性ガスで命を落とすという事故がありました。その教訓も既に風化していたということなのでしょうか。「立入禁止」の立札も、今や地面に崩れ落ちたりしているそうです。それでは何のための注意喚起なのか分かりゃしない。もっとも、酸ヶ湯温泉一帯はどこも硫黄の匂いが立ちこめていますから、それが当たり前という感覚に陥ってしまう。有毒ガスかどうかは見た目には判断できないからこそ恐ろしい。
一方、浜名湖のボート転覆事故は、学校の体験活動中に起こったもの。決してあってはならない事故です。しかも、自然体験活動のプロがいるはずの青年の家が舞台とあっては、各方面への影響が懸念されます。
静岡県立三ヶ日青年の家は、現在は指定管理者制度が導入され、「小学館集英社プロダクション」という会社が管理運営を受託しています。この会社は、もともとは、小学館の子会社「小学館プロダクション」でしたが、同じ一ツ橋グループの集英社が2年前から出資し、現在の社名になっています。主な業務である、ポケモンとかドラえもんのキャラクターグッズの開発・販売及びライセンス管理、幼児・小学生向けの教育事業、アニメ番組の企画などに加えて、数年前から全国の青年の家や少年自然の家などの青少年教育施設数ヶ所の指定管理者としてその名前を聞くようになりました。子どもたち相手の体験活動ならお任せ、といったところでしょうか。
多くの自治体が財政難に苦しむ中、財政再建の矛先の1つとして真っ先に目を付けられているのが、青少年教育施設であり、実際にかなりの都道府県が青少年教育施設に指定管理者制度を導入するようになっています。子どもたちの自然体験活動は重要だといいながら、県の手から離してしまうのですから、どうにも矛盾を感じざるを得ませんけどね。ただ、民間にも体験活動の「プロ」はいることはいるわけですから、指定管理者制度に移行したからといって、ただちに体験活動の質が低下するというわけではありませんが。
自然体験活動で最も重要なのは、指導者です。子どもたちの安全・安心を守るために、フィールドの危険地帯、安全地帯を熟知している指導者。そして、何よりも、危険を察知したら引き返す勇気を持つ指導者。今回の事故は、「えい航」そのものが問題視されていますが、そもそも、悪天候を見越して中止する、つまり「引き返す」べきだったのではないでしょうか。
運営者が県ではなくて民間だったから起こったのだという意見も聞きますが、必ずしもそうとは言い切れないでしょう。どちらの管理運営であれ、指導者の資質を高めることが最大の課題です。
この事故を契機に、自然体験活動そのものに対する過度の警戒心が起こることも心配です。すぐれた指導者と適切なサポートがあれば、スリルとワクワク感も十分味わえる、「100%安全」な自然体験活動はあり得るのではないでしょうか。
今回の二つの事故は、いずれも、大人の不注意が招いた事故と言えます。自然の怖さを知っている大人でなければ子どもたちの引率や指導に当たってはいけないという教訓は、今後ぜひ生かしていかねばなりません。
亡くなられたお二人の冥福を心からお祈りします。
昨日の、八甲田山中での火山性ガスによる中毒死と見られる事故は、家族・親戚でタケノコ採りに来ていたさなかに起るというまことに痛ましいものでした。八甲田では、十数年前にも自衛隊の訓練中に3人が火山性ガスで命を落とすという事故がありました。その教訓も既に風化していたということなのでしょうか。「立入禁止」の立札も、今や地面に崩れ落ちたりしているそうです。それでは何のための注意喚起なのか分かりゃしない。もっとも、酸ヶ湯温泉一帯はどこも硫黄の匂いが立ちこめていますから、それが当たり前という感覚に陥ってしまう。有毒ガスかどうかは見た目には判断できないからこそ恐ろしい。
一方、浜名湖のボート転覆事故は、学校の体験活動中に起こったもの。決してあってはならない事故です。しかも、自然体験活動のプロがいるはずの青年の家が舞台とあっては、各方面への影響が懸念されます。
静岡県立三ヶ日青年の家は、現在は指定管理者制度が導入され、「小学館集英社プロダクション」という会社が管理運営を受託しています。この会社は、もともとは、小学館の子会社「小学館プロダクション」でしたが、同じ一ツ橋グループの集英社が2年前から出資し、現在の社名になっています。主な業務である、ポケモンとかドラえもんのキャラクターグッズの開発・販売及びライセンス管理、幼児・小学生向けの教育事業、アニメ番組の企画などに加えて、数年前から全国の青年の家や少年自然の家などの青少年教育施設数ヶ所の指定管理者としてその名前を聞くようになりました。子どもたち相手の体験活動ならお任せ、といったところでしょうか。
多くの自治体が財政難に苦しむ中、財政再建の矛先の1つとして真っ先に目を付けられているのが、青少年教育施設であり、実際にかなりの都道府県が青少年教育施設に指定管理者制度を導入するようになっています。子どもたちの自然体験活動は重要だといいながら、県の手から離してしまうのですから、どうにも矛盾を感じざるを得ませんけどね。ただ、民間にも体験活動の「プロ」はいることはいるわけですから、指定管理者制度に移行したからといって、ただちに体験活動の質が低下するというわけではありませんが。
自然体験活動で最も重要なのは、指導者です。子どもたちの安全・安心を守るために、フィールドの危険地帯、安全地帯を熟知している指導者。そして、何よりも、危険を察知したら引き返す勇気を持つ指導者。今回の事故は、「えい航」そのものが問題視されていますが、そもそも、悪天候を見越して中止する、つまり「引き返す」べきだったのではないでしょうか。
運営者が県ではなくて民間だったから起こったのだという意見も聞きますが、必ずしもそうとは言い切れないでしょう。どちらの管理運営であれ、指導者の資質を高めることが最大の課題です。
この事故を契機に、自然体験活動そのものに対する過度の警戒心が起こることも心配です。すぐれた指導者と適切なサポートがあれば、スリルとワクワク感も十分味わえる、「100%安全」な自然体験活動はあり得るのではないでしょうか。
今回の二つの事故は、いずれも、大人の不注意が招いた事故と言えます。自然の怖さを知っている大人でなければ子どもたちの引率や指導に当たってはいけないという教訓は、今後ぜひ生かしていかねばなりません。
亡くなられたお二人の冥福を心からお祈りします。
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