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カクレマショウ

やっぴBLOG

音のかけら

2005-11-27 | ■私の好きな歌
「五感の都市へ」をテーマに開催されている「仙台芸術遊泳」。2005年11月5日から12月24日まで9つのプロジェクトが、仙台市内各地で順次展開されています。そのうち、現在宮城県美術館で行われているのが「共鳴する美術館─<音のかけら>金沢健一展」ですが、これと連動して、せんだいメディアテークでは、金沢健一氏とのコラボアート・ラボが各種行われています。

先日、たまたませんだいメディアテークの6階ギャラリーに立ち寄った際、ちょうど金沢氏ご本人がその準備をしているところでした。彼の彫刻作品「音のかけら」を前に、もう一人の方と話し合いをされていました。

「音のかけら」。直径1m、厚さ1cmほどの鉄製の円盤が床に並べてあります。円盤は「割れて」います。1個の円盤以外はすべていくつかの破片に分けられ、わずかなすき間を残して元の円形を形作っているのです。2つの破片、4個の破片、10個の破片…もっとも細かいものは100個以上の破片に分けられています。

かたわらにはドラムスティックや木製ハンマー、くるみ、針金、木製の球、楕円球などが用意され、私たちはそれらを使って、自由に破片をたたいてみたり、円盤の上を転がしてみたりすることができるのです。破片の大きさによってもちろん音の高さが異なります。くるみや木製の球を円盤上に転がしてみると、まるで旋律のような美しい音が響き渡りました。単なる鉄板が楽器に変わる不思議さ。床に座り込んで、いろんな音を楽しんでいると、金沢さんが「おもしろいもの見せましょう」とおっしゃって、ちょうど居合わせた5~6人のお客さんを会場の片隅にしつらえられたテーブル状の鉄板の周りに集めました。

何が始まるんだろう?と興味津々で見ていると、金沢さんは、鉄板の上に石灰の粉を振りまき、鉄板のはじっこを、ピアノ線を取り付けたゴム製のスーパーボールでこすり始めました。

するとどうでしょう、振動に合わせて白い粉が踊るように動きながら、みるみる美しい「形」を作っていくではありませんか。こする位置やボールの大きさを変えるたびに、違った形に変化していきます。人間がフリーハンドでは決して描けないような微妙なライン。思わず嘆息が漏れてしまう、予想もできない造形美。



円形のテーブルの次に見せていただいた「正方形」のテーブルでも、円形の時とまた違った形の美しい図形変化が次々と繰り広げられます。金沢さんは、これは「クラドニー図形」と言うんだと言い、そして、なぜこんな形が振動によって作られるのか、その原理も簡単に教えてくださいました。

また、視覚的な「造形」もさることながら、振動によって同時に起こる「音」もまた幻想的なものでした。音楽と造形のコラボレーション。もしかしたら、人間は、太古の昔にもこんな形で「芸術」を楽しんでいたのかもしれないと思いました。

金沢氏は、自身の作品を題材にしたこのようなパフォーマンスや観客参加のワークショップを各地で行っているのだそうです。今回、思いがけず、束の間の「別空間」を楽しむことができ、とてもラッキーでした。

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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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金沢さん、素敵です (自由なランナー)
2005-11-29 07:04:47
こんにちは。

私もこの金沢さんのパフォーマンス、みせていただきました。不思議でしたね。「音」の響きも、おっしゃるとおり、幻想的とも感じられるものでした。
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