カクレマショウ

やっぴBLOG

それは本当に「もったいない」か?

2008-02-04 | ■その他
数日前の朝日新聞の投稿欄に、「まだ履ける靴 送り先ないか」という投稿がありました。投稿者は高校教諭で、毎年、卒業生が大量の中履きの靴を残していき、職員がそれを捨てているのだが、まだ履ける靴なのにもったいない。どこか(外国)に送ることはできないか…という内容です。

私が以前勤めていた高校でも、卒業式が終わってしばらくして学校の前の田んぼの雪が溶けはじめると、雪の下から大量のズックが出現するという光景を毎年目にしていたことを思い出しました。もったいないとか、まだ履けるかどうかという問題以前の情けない話ですけど。

投稿によれば、履き古しの靴を外国に送る活動をしている団体を探したけれど見つからない、また、送るとしても一番の問題は輸送費だとあります。援助したいなら、お金を送り新品を買ってもらった方がいいとも言われたとか。

ま、それはそうだなと思いつつ、私は、こういう話にはどこか違和感を覚えます。「まだ十分使えるものを捨ててしまうという、今の日本の生活スタイルは、どこか間違っています」とありますが、「使えるもの」を「捨てる」以前に、そもそも「使わない」という選択肢は考えられないでしょうか。学校の中履きシューズにしても、指定された同じものを生徒は買わされるわけです。「その学校」でしか履けないから、卒業後は捨てざるを得なくなる。まだ履けるからといって、学校の指定シューズを卒業してからも履き続ける人はほとんどいないでしょう。

だったら、最初から卒業しても履ける靴を最初から買わせればいい話です。中履きがみんなそれぞれ違っていたら、学校生活に支障があるのでしょうか?同じ理屈でいけば、「体育用ジャージ」とか「制服」だって同じですけどね。ま、靴と違って、制服には制服の意味もあるのかもしれませんが、制服だって卒業後は不要になることには違いない。「使い古し」を外国に送るというなら、制服やジャージだって送ったっていい。

身につけるものだけではありません。「みんなが同じである」ことを求められる学校というところは、教材にしろ、文房具にしろ、買わなくてもいいものを新たに買わなければならないような仕組みに凝り固まっています。

「もったいない」というのは、確かに美徳かもしれませんが、「自分たちにとって不要なもの」が他の誰かには必要だからそっちに回す、というのは「もったいない」とは言わないのではないでしょうか。本当の「もったいない」精神というのは、最低限の必要なものを大事に使う、ということではないのかなと思います。

投稿は、「(前述のような生活スタイルを)学校でも見直しをしなければ、と実感しています」と結ばれていますが、まず見直さなければいけないのは、学校自体が、大量の「不要なもの」を生み出しているという現実でしょう。


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5 コメント

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非常に同感です。 (RICO)
2008-02-05 10:37:44
息子は公立の小学校ですが、何かと言うと、「買って下さい」と先生から言われます。
家にはなくて、どうしても必要なものなら、ちゃんと買います。
ただ、既にある物で利用できる場合も多々ある場合、新しく買う事に抵抗があります。

例えば分度器。
最近のは、左右両方から数字が始まってるんですね。
我が家にあるのは、旧式タイプ。でも、ひっくり返せば使えますし、昔はそれで足りてましたよね?
見難い、使い難い、から新しいのを買って欲しいと先生から言われ、不承不承買いました。

それ以外のものでも、1つ1つは細かいものですが、そんなにあっても使わないだろうと思える物、随分買わされます。

一度買って、使いにくくて不便を感じている物でも、壊れて使えなくなるまでは新しい物は極力買わないようにしているのに、学校では、いとも簡単に「買って下さい」と言ってくるので、困ります。

最近エコで、マイバックとか流行ってますよね。
我が家もマイバック派なのですが、学校からスーパーの袋を「持ってきて下さい」と言われる事が多く、これも困ってます。ペットボトルもです。しかも、四角でなく丸い大型ボトルとか指定されたりします。
丸い大型ボトルは炭酸飲料水で、我が家は家族も少ないし、健康にも良く無い事もあり、普段全く購入しないので、これも困っています。
因みに、四角であってもペットボトルは購入しないので困ることには変わりなのですが。

ペットボトルを再利用して教材に使おうって意図なんでしょうが、再利用も限度があるし、最終的にはゴミになるものですよね。それなら、最初から極力購入しないようにする事の方が大事だと思うのに。
再利用する為に、わざわざ飲まないペットボトルのドリンクを買わされるのって本末転倒だと思うのです。

なんだか、学校って、時代のニーズと逆行してる気がしてなりません。
社会問題を子どもたちに学ばせる為にも、むやみやたらに不必要な物は購入しないよう、率先して実践すべき所であって欲しいですね。

ところで靴ですが、一人っ子の我が家では、あまり履かないうちに履けなくなってしまう事も多く、あげる人もいないので、困ってます。
大きめのを買うのですが、急に予想以上に足の方が大きくなったり、また革靴などのTPOを選ぶ靴など、2、3度履いただけで、新品同様綺麗な靴もあるのです。でも、勿体無くて捨てられません。
保管場所の方も勿体ないのですが。。。
ですので、靴に関しては、履いてくださる方がいたなら是非さしあげたい、と思っています。

なんか長々とすみませんm(__)m
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ごもっとも。 (やっぴ)
2008-02-06 00:04:26
RICOさんこんばんは。

学校の融通のきかなさ、全くそのとおりですね。
ペットボトルのくだりは、思わず笑ってしまいました(失礼!)。しかし、よく考えてみると、それはとっても危険な話で、学校の中で子どもたちを画一的に見たり接したりしていると、保護者や家庭までもみんな同じだと思ってしまうのではないのでしょうか。

一方で、RICOさんのような違和感を感じる保護者ばかりならいいのですが、現実にはそうでもない親がかなりいるということ。みんなと同じにしていれば安心、という気持ちは多くの親が持っていることでしょう。ま、逆に一人だけ違っていたら、それだけでいじめられたりするのが子どもの世界でもありますけどね。

ただ、最近のランドセルの多様な色遣いには、ちょっと個性が感じられて、いい傾向だなーと思っています。
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ボランティア事始め (やっぴファン)
2008-02-06 05:14:13
海外支援ボランティアを長くやっている方に聞くと。やはり使い古しを送るのは失礼なのだそうです。
援助物資は、新品が欲しいとの事。
わが娘の学校では、毎年体育のジャージは、新品の援助物資と共に、ブラジルに送っています。
送料は、文化祭の時に生徒会でバザーをやって資金を調達します。
援助と言うのは簡単にはできない事で、援助先に何が必要かも確かめてボランティアをする、娘の学校の姿勢には、感動しています。
ちなみに意外ですが、クリーニング屋さんで貰う針金ハンガー、伝線したストッキング(洗濯済みのの)、ブラジャーが喜ばれるものだそうです。
洗濯物を木に引っ掛けて干すので、肩の所に穴が開いているものを着ている子が多いので、ハンガーは貴重であり、ストッキングは、伸縮ホータイの代わりに使うそうです。
やはり、上履きは衛生上、いらないものかもしれません。
我が家では、子供の上履きは、私が庭仕事の時はいています。
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Unknown (RICO)
2008-02-07 22:07:53
同じクラスのお母さんで、ライフスタイルや考え方が似ている人に話した時には、共感を得ましたが、他のお母さんには、「学校に協力するのが当たり前」って返事をされて、かなり引きました。

学校に協力はしています。出来る事は極力ね。
でも、無駄に思う事とは別だと思うんですけどねぇ。
多くの保護者は、やっぴさんが仰るように、何も感じてないようでした。

私の普段から無駄を排する生き方に対し、ある人から、「みんなRICOさんみたいだったら、お金が回らなくなって、経済が立ち行かなくなっちゃうよ」って言われた事があります。

そういうものなんでしょうかねぇ・・・?

やっぴファンさんのお嬢さんの学校は、凄いですね。相手が必要な物を送るって、大事だと思います。何でもあげれば良い的な感覚の人が多いですし。
例えにはそぐわないかもしれませんが、中元・歳暮なんかも、相手の家庭環境やニーズを全く考えず送ってくる人も結構いて、折角頂いても不必要な物だったりすると、ありがた迷惑だったりするんです。
やはり、どうせあげるなら、喜ばれる物を、と思います。
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「お互いさま」で… (やっぴ)
2008-02-08 00:07:26
「やっぴファン」(この名前はちょっと…(^_^;))さん RICOさん

たびたびのコメントありがとうございます。
「豊かな国」(の人)が「貧しい国」(の人)に、モノ・コト・ヒト・カネを送るのが「援助」だとすれば、送られる側が何を求めているのかを知ることは最低限必要なことですね。

また、一方的な「援助」ではなく、「相互援助」と考えれば、「貧しい国」(の人)から日本人(「豊かな国」…ですよね!)が何かを得ることも大切なのではと思います。何か、というのはもちろん物質的なものに限りませんが。

もっとも、それは、外国とのつきあいに限らず、ふだんの生活でも大切なことですけどね。日本には「お互いさま」というすばらしい言葉もありますし。「お互いさま」で、ずいぶん無駄も省けるのではないかと思うのですが…。それはRICOさんが言われたような「経済」的な話とはまた別の次元の話だと思いますね。

いろんな情報をありがとうございました。

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