カクレマショウ

やっぴBLOG

「学校」で高齢者も学ぶという豊かな発想。

2007-11-07 | ■教育
福岡県那珂川町の小・中学校には、高齢者の方が「聴講生」として「入学」しているのだそうです。2005年から始まった「町民聴講生制度」、これまで延べ24人の方が子どもたちと机を並べて勉強しているのだとか。

教室の子どもたちの中に、お年寄りがいて一緒に勉強する。授業だけではなく、休み時間とか給食の時にいろんな語らいがある。それって、とてもいい光景だなあと思います。もちろん毎日通うわけではなく、社会科なら社会科といったように科目を選んで聴講するシステムらしいですが、高齢者の皆さんは、世代を超えた仲間とともに学ぶことができる喜びがあり、子どもたちは、人生の大先輩であるお年寄りから、学校や家庭では教えてもらえないような知恵や知識を学ぶことができる。これは、ことによったら「生涯学習」の原点なのかもしれません。生涯学習は、「学び合い」が重要な要素だと思っているので。一人で学んでももちろん学ぶ喜びは得られますが、やはり同じ志を持つ仲間がいるというのはとても励みになるものです。しかもそれが世代を超えた仲間となれば、得るものは計り知れないでしょう。

学校というところは、もちろん第一義的には、子どもたちの教育と学習の場です。でも、それだけで「凝り固まって」しまう必要はないと思っています。何にせよ、凝り固まるとロクなことがない。凝り固まって身動きもとれない状態からは、自由で豊かな発想なんて生まれっこないのです。

学校にお年寄りを受け入れるというのは、それ自体が、なんと自由な発想でしょうか。「カタチ」だけでない「豊かな教育」は、そういうところから生まれてくるのでしょう。いまだに、「ゆとり教育は失敗だった」とか「授業時間を増やせば学力は向上する」なんて、「ゆとり」か「学力向上」かという二者択一的な、杓子定規にしか教育をとらえられない人たちに、こういう「教育現場」を見せてあげたい。そういう学校で育った子どもたちこそ、本当の意味の「立派な社会人」になれるのではないでしょうか? そして、そういう大人を増やすことにこそ、日本の明るい未来はあるのでは?

新聞記事の写真で、とっても楽しそうに笑い合っているお年寄りと中学生の顔を見て、そんなことを考えました。

 

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