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カクレマショウ

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黄色いケチャップ

2008-11-21 | └キャリア教育
「三本木高校、馬術部」

といえば、今公開中の映画のタイトルですが、その青森県立三本木農業高校の植物科学科では、「施設園芸ビジネス」という科目の中で、地域の素材を生かした商品開発に挑戦しています。
同校では、東北経済産業局が主催する「地域の魅力発信アイデアコンテスト」に応募予定とのこと。このコンテストは、小・中・高の児童生徒を対象とし、地域の特産品などを活用した新たな商品やビジネスプランの企画・開発を募集するものです。既に、生徒たち(植物科学科の13名)は、3つのグループに分かれてそれぞれに商品を企画していますが、応募を控えて、商品開発の専門家の方を招いてアドバイスを受けるために、今回、セミナーが開催されました。

講師は、21あおもり産業総合支援センターのコーディネーター、加藤哲也さん。まず、加藤さんから、「加工特産品開発のポイント」と題してのレクチャー。「安全・安心」、「時には多少高価でもおいしいものを」といった近年の消費者動向を踏まえて、大企業ではなく、地域の企業や生産者が開発すべき特産品のポイントを、わかりやすく説明してくださいました。全国各地の事例(高知県馬路村の「ゆずポン酢」、北海道小平町の「タコ箱漁オーナー」、岩手県二戸市の「五穀料理」、宮城県亘理町の「ハッピーシュガー」などなど)もたくさん紹介していただきました。そして、こうした成功事例から見えてくるのは、「郷土料理を現代化すること」(つまり、地域に昔からある素材と現代的なメニューを組み合わせる)、そして、「すぐに食べられるスイーツやファストフードの開発」がポイントだとおっしゃる。

ここで重要なキーワードが登場します。「変えてはいけないもの」と「変えなくてはいけないもの」。地域素材を使った新しい商品を開発する際には、この2つを見分けるセンスが求められるということです。安全・安心で健康にもいい地域の素材の良さとその背景にある歴史や伝統を生かしながらも、「外」に向かって発信するためには、自分たちがずっと食べてきたような加工方法や食べ方にこだわっているだけじゃダメ。消費者や観光客の心をとらえるような新たな仕掛けが必要で、レシピをわかりやすく示したり、盛りつけ方やパッケージ、販売方法などを工夫したりすることが大切である。

なるほど、人気のある特産品を思い浮かべると、確かにそういう工夫は施されていますね。単に身体にいいからとかおいしいから、だけでなく、それらはもちろんベースとなる絶対条件であるにせよ、「売れ筋」を狙うならば、「付加価値」が大事だということですね。

以前、「付加価値」なんて必要ないのでは?とブログに書いたことがありましたが、やっぱり必要なのかなあ…。

加藤さんからそういうお話をうかがったあと、生徒たちがグループごとに企画した商品の発表をし、加藤さんからアドバイスをいただいていました。つり下げ方式で栽培した「空飛ぶスイカ」、表面に文字入れをする「メッセージ・メロン」、黄色のトマトを使った「黄色いケチャップ」。どれも、着想が高校生らしくておもしろいものばかり。

中でも、「黄色いケチャップ」には大いに興味をそそされました。プラムレモンという大きめの黄色いトマトを栽培し、収穫したものを煮詰めて作るのだそうです。



煮詰めても黄色は変色することなく、ずっと黄色を保っているのも何となく不思議な感じ。試作品だという瓶詰めを見せてもらいましたが、確かに鮮やかな黄色をしていました。味見ができなかったのが残念でしたが、担当の先生によると、目をつぶって一口舐めてみると、確かにケチャップの味がする。でも目を開けると、そのケチャップが「黄色い」ことにちょっと違和感を感じたのだそうです。それだけ、人間の脳に「ケチャップは赤だ」とすり込まれているということでしょうか。黄色いオムレツには、やっぱり真っ赤なケチャップが似合う。ホットドッグに黄色いケチャップは? マスタードと見分けがつかなかったりして…。

でも、そういう思い込みを打ち破ろうとする高校生の挑戦意欲が面白い。となれば、今度は黄色いケチャップを使った料理、食卓に彩りを添え、食欲も増すようなレシピを考えてもらおう。どんな時に黄色いケチャップを使えば楽しいのか? 

加藤さんがあとでこっそり教えてくれましたが、黄色いケチャップなんかは、大手のメーカーではまず作らないだろうとのこと。採算ベースに乗らないからです。こういう商品こそ、地域の特産品として売り出すべきだとおっしゃっていました。

そう考えると、青森なんかは豊かな素材がいっぱいそろっているのだから、アイディアとひらめきさえあれば、そこそこ「売れセン」の商品は世に送り出せそうな気がします。高校生の頃からこういう体験をして、実際に商品が売れて、買った人たちに喜んでもらえたという成功体験を積み重ねることで、新しい付加価値を生み出すことができる。

そして、もう一つ、加藤さんのような「プロ」から高校生たちが直接指導を受ける場面を増やすことも大切なことですね。


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