カクレマショウ

やっぴBLOG

副教材「私たちが拓く日本の未来」を入り口として

2015-10-01 | └キャリア教育

選挙権が18歳以上に引き下げられたことを受け、高校生の主権者教育の副教材として、「私たちが拓く日本の未来 ─有権者として求められる力を身に付けるために─」(総務省・文部科学省)が公表されました。

選挙や議会の仕組みを図解入りで分かりやすく紹介した解説編に始まり、メインとなるのは、模擬選挙の手順や討論の仕方などを盛り込んだ実践編です。生徒が書き込む部分も多く、そのままテキストとして使えるような形になっています。そのへんはよく練られたテキストといえるでしょう。

それにしても、模擬選挙の手順などはけっこうなボリュームがあって、「メンドクサイ」とか「有権者教育」って大変…思う先生もいるのでは…と危惧します。もちろん、このまま全部を実践する必要がないとは思うのですが。

この副教材は、「政治教育」に特化したものですが、当然のことながら、政治の対象となる経済・金融や市民生活についても平行して理解を深める必要があって、いわゆる「市民教育(シチズンシップ教育)」と重なる部分もたくさんあります。新学習指導要領に盛り込まれる方向の新科目「公民」だけではなく、あらゆる教科、あらゆる学校教育活動と連動させて進める必要がありますね。この副教材で紹介している模擬選挙や模擬議会をやっただけで政治教育、有権者教育をやったと満足するのではなく、一番大切なのは、有権者であることを含めて、しっかりとした「市民」として生きてもらうことですから。そのためには、学校だけでなく、家庭でも地域でもそういう意識を持つことが大事ですね。

そう考えていくと、自分たち大人は、果たして「しっかりとした市民」と言えるだろうかという思いに行き着いてしまう。まずは大人が、「見せる背中」をきちんと持たなければ。


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