カクレマショウ

やっぴBLOG

どうなるのか?学校の統廃合。

2015-01-21 | ■教育

文科省が、公立小中学校の統廃合に関する手引案を公表しました。

市町村立の学校については、基本的にそれぞれの市町村が設置者として統廃合をするかどうかを検討するべきですが、今回の手引は、検討のための一つの判断基準を参考として示したものです。もちろん拘束力はありません。国がこんな手引を示す背景には、少子化がますます進行する中、学校規模に「課題がある」と認識しながら、統廃合などについて検討している市町村はそのうち半分以下だったという現状があるようです。要するに、きちんと検討はしてください、ということですね。

文部科学省の考える、統廃合をめぐる学級数の考え方は、「クラス替えができるかどうか」というもの。文科省は、小規模校の問題点として、

 ① クラス替えができず人間関係が固定化する。
 ② 社会性やコミュニケーション能力が身につきにくい。
 ③ 切磋琢磨する環境の中で意欲や成長が引き出されにくい
 ④ 多様なものの見方や考え方に触れることが難しい

といった点を挙げています。6年間(もしくは3年間)、クラスが同じだった場合、確かに「人間関係が固定化」はするでしょうが、それが悪いことなのか?…など、そもそも「問題点」なのかどうかについては議論が分かれるところでしょう。他の人と「切磋琢磨」できなくても、「意欲や成長が引き出される」子どもだっているはずだし、逆に、毎年同じクラスであることに居心地の悪さを感じている子もいるかもしれない。小規模校・大規模校のメリット、デメリットはそれぞれです。

手引では、小規模校のデメリットをカバーするための様々な事例も紹介されているようです。年に10回ほど町内の小学校3校の児童が集まって、音楽や体育などの合同授業をしている町、区域外からも児童を受け入れ、自然を生かした体験活動を取り入れている山間部の小学校。一方、統廃合を選んだ自治体での取組として、統合後の課題の一つに挙げられるスクールバス通学による運動不足を補うため、あえて校門から1km手前でバスから降ろして子どもたちを歩かせている学校もある。統廃合を選んだ場合、存続を選んだ場合、いずれにしても、「デメリット」は生じるわけですから、そのデメリットを最小限にとどめるための工夫が必要ですね。

要は、子どもたち一人一人の良さを伸ばしてあげられる環境かどうかということに尽きると思います。自分の子どものことだけでなく、地域の子どもたちをどう育てるかという視点がそこには求められます。こういう議論になると、すぐ「自分が小学校だった頃は…」という個人的な体験を持ち出す方がいます。悪いとは言いませんが、「それはそれ」だと思います。時代も変わっているのだから、個人の過去の経験はさておいて、これからの学校と地域をどうするのか、そういう前向きの視点で考えていきたいですね。


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