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「にゅるぺろりん」、「ぽぱーぺ ぽぴぱっぷ」、「すーびょーるーみゅー」 by 谷川俊太郎

2015-01-20 | ■教育

NPOブックスタートによる「子ども・社会を考える」講演会シリーズに、「赤ちゃん・絵本・ことば」というタイトルの本があって、詩人の谷川俊太郎さんの対談(聞き手:草野満代さん)が紹介されています。

「にゅるぺろりん」、「ぽぱーぺ ぽぴぱっぷ」、「すーびょーるーみゅー」なんていう、一見「無意味な言葉」が次々と飛び出してくる谷川俊太郎さんの絵本。谷川さんは、大人は意味に縛られている、とおっしゃる。

「みんな意味に囚われているから、「無意味なんていうのは無意味だ」となってしまうわけでしょう。無意味の持っているエネルギーというのはすごいんですよ。というのは、基本的に世界は無意味なんです。宇宙は無意味。それに意味を与えたのは人間なんですよ。人間が意味を与えたことで、我々は生きていけるわけだけど、もっと宇宙とか世界のリアリティに迫ろうとすれば、やっぱり無意味っていうのはすごく大事だと思うのね。」

大人になれば、「無意味」はだんだん許されないものになっていくのですね。なんにでも「意味」を持たせなければ気が済まないのがオトナ社会。私たちみんな、子どもの頃にはあんなに「無意味」なものに夢中になっていたというのに。

谷川さんは、だから、大人になっても子どもの頃の心を持ち続けたいと言う。そういう思いで詩を書き、「言葉遊び」に興じる。子どもが一番目を輝かせるのは、実は「無意味」だけれど、リズミカルで思わず体を動かしたくなるような、そんな言葉だということを知っているから。

言葉といえば、谷川さんは、「文字」に書かれたものより、音声で発せられた言葉こそが大事だとお考えのようです。だから、詩も、「文字を読む」のではなくて「言葉で語る/聴く」ほうを選ぶ。この講演会でも、彼は最後に「文字を見ないで、声を聴いてください。」と前置きしてから、「ひとりひとり」という詩を朗読しています。

谷川俊太郎。この人の「読み聞かせ」を、いつかナマで聴いてみたい。


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