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市川団十郎と助六

2010-12-27 08:35:37 | 小説
今年は歌舞伎の市川宗家、中でも初代市川団十郎に注目が集まりました。市川団十郎の出世作は「助六」ですが、その芝居にまつわる話をします。それは江戸時代の有名な訴訟事件、「勝扇子事件」です。登場人物ははエタの頭、浅草弾左衛門と京都のからくり師小林新助です。この幕閣をも巻き込んだ大訴訟は小林新助の圧勝で終わります。人間は正直にしゃべるはずだと思っていた弾左衛門側に対して、小林新助側は証人のすべてと入念な打ち合わせを行い、口裏を合わせました。新助側のすべての証人は弾左衛門の主張をことごとく否定しました。弾左衛門が真実を求めて、「おまえはこうしたではないか」と訴えても、ただ首を振るだけでありました。背景には大名も熱中する歌舞伎、人形浄瑠璃が過去のの立場から大きく飛躍して、人々が熱中する娯楽へと変貌していたことがあります。だから、自分達の熱中する歌舞伎が従来通り、エタの頭の支配下にしておくのは困ると幕府も、また町人達も願っていた結果かもしれません。しかし、無念であったのは浅草弾左衛門でした。その敗訴で、配下の何人かが遠島にさせられたのです。彼は本質的には人間を信じていました。それが裏切られたのです。さらに、この話は市川団十郎によって、「助六」となり、弾左衛門は悪役の立場にたたされました。この芝居は江戸市民から拍手喝采をはくしましたが、そんな世の中に弾左衛門は涙したに違いありません。

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