今年もノーベル賞の季節が近づいている。候補者の一人に桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授がいる。彼が発明したのは次世代の「太陽電池」で、折り曲げられて紙のように軽い。ポーランドの企業が、世界で初めて販売を始めたのが、「ペロブスカイト」と呼ばれる、フィルム状の超薄型太陽電池で、宮坂教授の技術が使われている。私のマンションから街を見ると思いのほかに、屋根に太陽光パネルが張られている。しかし、無粋だ。屋根の形状にヒットしていないので、むさくるしいのである。だから、一旦、東日本大震災後のような危機が去れば、人々は太陽光発電からの関心が薄くなる。その上、あの時のように、電力を高く強制的に買ってくれるシステムさえなくなろうとしているのだ。だから、電気自動車とセットで、家庭蓄電をテレビが呼びかけても、値段の割に、めんどくさいのである。その問題を解決してくれる一つがフイルム状の太陽光パネルかもしれない。家とセットで、仮に色彩も豊かになれば、家の電力の大半を太陽光で賄える時代も来るかもしれない。（くちなし亭、2021.10.04）
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