東京、いや、日本全体で、新型コロナの新規感染者数が激減している。あれだけ、私たちをあおり続けていた学者もメデイアも、その理由を、「分からない。」と嘆かれては私たちの心のもやもやは晴れない。明らかに、ワクチンだけのせいではないのだが、ここにきて、「エラーカタストロフの限界」という理論に注目が集まっている。「エラーカタストロフの限界」とは、1971年に米国の進化生物学者が提唱したもので、「ウイルスは変異しすぎるとそのせいで自滅する」という理論だ。50年前の説が注目されるようになったのは、インドでデルタ株が出現し、最悪の事態になったにもかかわらず、急激に感染者が減少したからだ。インドではこの間、十分な対策が講じられたということはないにもかかわらずにだ。ウイルスは仲間を増やすために自身のコピーを繰り返すのだが、当然コピーミスが起こる。それが変異なのだが、中には当然、ウイルス自体を自滅させるコピーも発生する。東大の児玉龍彦教授が言うウイルスのコピーミスを修正するポリメレースという酵素に変異が生じたことで、コロナウイルスの変異速度が格段に上がったという話も、この「エラーカタストロフの限界」と関係があるのだろう。(くちなし亭、2021.10.19)
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