特殊詐欺グループも新型コロナは怖かったようだ。政府の呼びかけに応えて、テレワークに仕事場を変えたのだ。考えてみれば、特殊詐欺グループは小さな部屋に何人も集まって、全国の高齢者のみなさんに電話をかけまくっているのだ。マスクをしていたのでは声はこもる。相手は耳の遠いお年寄りだ。ついつい、大声になろう。だから、そのグループの一人でも、感染者になれば、一味はクラスターになる。だが犯罪者の悲しいところで、仮に、クラスターになっても、保健所に届けることはできない。各自勝手に、病気に対処し、中には苦しんだ犯罪者もいただろう。そんなわけで、ボスがテレワークを決断したのだ。政府からの要請もある。もともと、彼らがお客にしている被害者たちとはテレワーク作業なのだ。一か所に集まらねければ仕事ができないわけではない。しかし、犯人たちをひとまとめに集めて監視することで、秘密が保たれるのだが、それを効率が良いからとテレワークにしてしまったら、犯人の家族や同居人に、犯罪行為がばれることは自明だ。こうして、テレワークで活動していた特殊詐欺グループの男女6人が、警視庁に逮捕されたという。（くちなし亭、2021.10.02）
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