デンマークが今、ミンクで揺れている。もちろん、あの高級毛皮のミンクである。一時期、高名な欧米の女優たちがさっそうとミンクの毛皮を着て、カメラの前に登場していたのだが、動物虐待批判の波に乗って、一時期ほどには人前でミンクの毛皮が現れることも少なくなった。しかし、暑い国ならともかく、寒い国では毛皮は欠かせない。古代の昔から、毛皮は人間の必需品であったのだ。だから、デンマークは一大ミンク産業の盛んなところだ。推定で、デンマーク国内で1500万匹から1700万匹のミンクが飼われているという。毛皮生産用にである。その中の一部のミンクに異変が起こった。人からミンクに、ミンクから人に新型コレラウイルスがうつったことが分かったのだ。二つの意味で問題だ。一つは変異したのではないかと言う不安だ。新しいパンデミックがデンマークから起こるかもしれないというわけだ。もう一つはミンクを殺すのかと言う怒りだ。豚コレラや鳥コレラでは何の感情も交えず殺傷処分をする人間も、ミンクの前ではたじろぐのである。可愛いし、高級なのである。フレデリクセン首相の命令に、生産者側が不当だと怒りをあらわにしているというのである。(くちなし亭、2020.11.13)
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