最近、縄文人の生活レベルが実は意外と高かったのではないかと言われています。
おしゃれな土器で煮炊きをしたり、硬いヒスイに穴をあけたり・・と。
そして、ドングリのデンプンをエネルギー源とした食生活も、かなり充実していたようです。
主食がドングリで、おかずに猪、鹿、鴨、イルカ、鯛、あさり、海藻と、けっこうバランスのいい食事を摂っていたことがウンチの化石から判明したとか。
1日の総摂取エネルギーは推定2250キロカロリーで、現代人の2000キロカロリーよりちょっとリッチ。
また、その摂取バランスはタンパク質:脂質:炭水化物=12:26:62。
これは、驚くべきことに厚生労働省が推奨する食事バランス15:25:60とほぼ同じなのです。
60%の炭水化物がドングリか白飯かの違いだけ。おそるべし縄文人。
けれど、主食にするほどのドングリってどのくらいの量なのでしょうか。秋の遠足ではしゃいだドングリ拾いとはわけが違いますよね。
近畿大学名誉教授光永博士の計算によると、1人が食べるドングリの量は年間約300kg。
これを9月から11月の3ヶ月間で拾うので、1日3kgのドングリ拾い。けっこう凄い。
だから、当時の人口26万人のうち25万人が、ドングリがよく落ちる「落葉広葉樹林帯(ナラ、クヌギなど)」の東日本に集中していたわけです。
西日本の「照葉樹林帯(カシ、シイなど)」では落ち方が少ないのです。
最後にドングリの味。
不覚にも遠足のドングリをかじった経験のある方ならおわかりでしょうが、これが超~渋い。
よって、縄文人は水さらしや煮沸など、タンニンのアク抜きマニュアルを持っていたことになります。
♪~ドングリころころどんぶりこ~♪。
この童謡には、山村から身売りされていく子供たちの悲哀がメッセージとして隠されているそうです。
(諸説あります)
♪~やっぱりお山(家族)が恋しいと~泣いてはどじょう(人買い)を困らせた~♪。
この童謡が縄文時代からあったわけではありませんが、おどろおどろしい擬人化の対象となるくらい、ドングリは身近な食材だったということなのでしょう。