最近の医学研究のトレンドは、「HowからWhyへ」。
すなわち、どのようにして病気になるのかではなく、<wbr></wbr>なぜ病気になるのかを追究することで新たな治療法を開発するというもの。
NHKスペシャル「病の起源」でも、<wbr></wbr>がんのHowとWhyが解説されていて、
すなわち、どのようにして病気になるのかではなく、<wbr></wbr>なぜ病気になるのかを追究することで新たな治療法を開発するというもの。
NHKスペシャル「病の起源」でも、<wbr></wbr>がんのHowとWhyが解説されていて、
How…
細胞分裂の際のコピーミスで異常増殖が起こり、がん化
Why…
進化の代償
という結論でした。
進化の代償とは、<wbr></wbr>700万年前に共通の祖先からヒトとチンパンジーに分かれて以降、ヒトが進化する過程で得たものと引き換えに、<wbr></wbr>がんのリスクを背負ってしまったという意味です。
だから、がんによる死亡率は、ヒト30%に対してチンパンジー2%。
進化の代償を具体的に紹介すると・・・。
700万年前…<wbr></wbr>繁殖戦略として常に精子が増殖する能力を獲得した代わりに、がん細胞も増殖するようになった。
180万年前…<wbr></wbr>脳細胞が増殖して脳が巨大化し知能を獲得した代わりに、がん細胞も増殖するようになった。
6万年前…<wbr></wbr>人類がアフリカを出て北半球で生活するようになった代わりに、紫外線量の少なさゆえのビタミンD欠乏でがんリスクが増大した。
じゃあ、どうすればいいか。
進化で獲得した優秀な脳で治療法を研究するべしということで、<wbr></wbr>180年前の進化に着目。
脳細胞の増殖とがん細胞の増殖に共通に関与した物質が脂肪酸合成<wbr></wbr>酵素「FAS」であり、FASの働きを阻害すれば、<wbr></wbr>がん細胞が死滅することがわかってきたのです。
副作用のない新たな治療法が登場しそうですね。
HowからWhyへ。<wbr></wbr>身近な食品でもこの考え方を取り入れてみましょう。
どのようにして美味しいだしを取るのか…<wbr></wbr>1リットルのお湯にかつお節を30グラム入れて弱火で5分。
なぜ美味しいだしをとるのか…<wbr></wbr>だしが効いていると薄味でも味がぼけず減塩で美味しいメニューができるから。
どのようにしてグルタミン酸の旨味を認識するのか…<wbr></wbr>舌の受容体で検知して脳に信号を送るから。
なぜグルタミン酸の旨味を認識するのか…<wbr></wbr>タンパク質の存在を察知することで必須栄養素を確保できるから。
あらゆるビジネスシーンで「HowからWhyへ」<wbr></wbr>という思考を取り入れてはどうかと思った次第です。