あんなこと こんなこと 京からの独り言

「京のほけん屋」が
“至高の薀蓄”を 京都からお届けします。

日本に根ずく文化

2022年09月15日 | うんちく・小ネタ


広告代理店に勤める知人に誘われ、秋元康さんプロデュースの48人アイドルのライブ見学に。
この手のライブは初体験で、アイドル文化やオタクの熱量を体感してみようという、
好奇心満載の企画になっていました。
完璧な振り付けのファンに驚きつつ、アイドルの歌とトークを遠目に見ていたのですが、
感心したのは15分に1回くらい挿入される写真撮影タイム。
スタッフがやってきて、アイドルだけの写真や、アイドルの背景にファンが映り込む
アングルなんかも織り交ぜてパシャパシャ撮影。




そして、これらの写真をプリントして1枚500円でロビーにて販売。
帰路のファンが大量買いするという仕組みが出来上がっているのでした。

そんなに買ってどうするのと心配しつつ、まぁ写真が欲しいのではなく、購入することで
アイドルをサポートしているわけだから仕方ないかと…。





思い起こせば、自身も似たようなことをスタジアムでの阪神戦でやっていたのですから。
今やアイドルと化したビールガールから勧められるままに1杯800円の生ビールを
次々に買ってしまっていたのです。
飲みきれないからそのまま足元に並べて…。

二軍戦だったから入場料3000円。でもビール代はそれ以上。
アイドルオタクを笑えません。




こんな風に見返りを求めず支援するタニマチ文化が日本にはあります。
育成ゲーム「たまごっち」が流行ったのも、根底にタニマチ精神があるからではないでしょうか。
ちなみに、タニマチの発祥は大相撲。明治時代に大阪の谷町の医師が、
ある力士の面倒を見たことに由来するのだとか。




現代では、歌舞伎役者や落語家のサポーターもタニマチと呼んでいますし、
二軍戦なんかでも、経済的な支援こそしませんが、前年の甲子園球児に親心的な
タニマチ声援を送っているのです。



ただ、関取や歌舞伎役者のタニマチはハンパな財力では務まりません。
それに比べると、48人アイドルもビールガールも大した出費ではありませんが、
仕組まれたビジネスモデルだと考えると、ちょっと悔しくなる今日この頃です。