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焼肉がもたらしたもの

2014年07月06日 | うんちく・小ネタ

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最古の加工食品は「焼肉」だそうです。そして、この「<wbr></wbr>食物の加熱」なくして人類の進化はなかったという説があると聞きました。
ハーバード大学のランガム博士は、約180万年前にホモ・<wbr></wbr>エレクトスが火を使う料理法をマスターしたことで、人間が「大きな脳、小さな歯、<wbr></wbr>短い腸」という特徴を獲得したと主張しています。

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人間は他の動物と違い、<wbr></wbr>野にある生の食べ物では生きていけないと考えた博士は、チンパンジーの食物で入手できるものを全部食べてみたとか。<wbr></wbr>それらは繊維質で水気がなく甘味に欠け、固くてまずかったそうです。
固いということは、咀嚼に時間がかかるということ。<wbr></wbr>チンパンジーは日中の半分くらいを咀嚼に費やしているから狩りの時間は20分くらいしか<wbr></wbr>ないわけです。
そこで加熱調理となったということ。

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加熱で食物がやわらかくなった結果、<wbr></wbr>咀嚼に費やす時間が1日1時間程度になり、狩りに回せる時間が4、5時間に増加。獲物が増え、<wbr></wbr>さらに肉が食べられるようになり体格が向上しました。
体格の変化だけではありません。<wbr></wbr>消化の良い加熱品を食べ続けることで、腸が小さくなったのです。短縮した腸はエネルギー効率が良く、<wbr></wbr>余ったカロリーを脳に振り向けることが可能となり、大きな脳に進化したのだとか。

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生よりも加熱した方が食物から得られるエネルギーが多くなること<wbr></wbr>も、イモ類と肉の実験で証明されています。現代人の私が月に数回襲われる「<wbr></wbr>焼肉食べたい発作」は、体がエネルギーを求めていたのですね。
次に新たな加工食品が生まれるのは、<wbr></wbr>かなり時を経た約3万年前の「パン」。
そう考えると、<wbr></wbr>焼肉が人類に及ぼした影響はあまりに大きいことが判ります。

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