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PAUL McCARTNEY / Unplugged-The Official Bootleg

2007年09月04日 22時39分26秒 | Beatles
 ポールも今年で65歳なった。65歳といえば会社も定年になって、次の職場もそろそろご苦労様という感じで、名実ともに隠居する年齢である。つまり、もう立派な老人な訳だが、音楽的には隠居するどころではなく、「Memory Almost Full」という新作も出たことだし、きっとまたワールドツアーなんかもやるんだろう、音楽家としてはお世辞でもなんでもなく現役である。そんな意気軒昂なポールであるが、やはり音楽的にみると、80年代の終盤から90年代前半あたりが、最後のピークだったのではなかったろうか。私は最近のポールの作品をほとんど聴いていないし、直近の「Chaos and Creation in the Backyard 」や「Memory Almost Full」はけっこう傑作という声も聞くから、まぁ断言はできないとしても、話題性といい、ある種の華やかさといい、音楽の勢いといい、やはり90年前後あたりにはとち及ばないのではないかと思う。

 このアルバムはポールの最後(?)の大傑作「Flowers In The Dirt」と、これまた佳作といってもいい「Off The Ground 」の間に発表されたアンプラグト・ライブで、当時の絶好調ぶりがアコスティック・サウンドという側面から表現された好作品だと思う。曲はオールディーズ、ビートルズ、ソロとバランスよく選ばれていて、個人的には最初のソロ・アルバム「マッカートニー」から「Every Night」「That Would Be Something」「Junk」といったかなり渋い曲が選ばれているのが聴きどころにだと思う。この時期のポールはライブでビートルズの作品を解禁したことがけっこう話題になっていたが、「マッカートニー」というアルバムは、どちらといえばレア・ビートルズ・トラックスみたいな色彩の強い作品だったから、これもまたある意味解禁といういう意味合いがあったのではないかと思う。

 演奏はポール自身はもちろんだが、彼の意を十二分な汲んだと思われる優秀なバンドメンの演奏が素晴らしく(ウィングスなどより数段良いのではないか?)、この時期のポールが音楽的にアクティブになってなれたのは、エルヴィス・コステロとのコラボレーションとかいろいろな理由が考えられるが、ひとつはやはりこのプロフェッショナルなバンドを手に入れたということもあると思う。ともすればダレがちなアンプラグド演奏でも、ルーズそうでいて節々にキレがあるのは、ニュー・ウェイブ以降にプロになったミュージシャン特有のシャープさがあるからだろう。

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