オーマンディがフィラデルフィアを振ったブラームスの交響曲第一番のCDを長いこと探してきました。何故かといえば、この演奏が私の「ブラームス初体験」だったからです。今から四半世紀くらい前に、ソニーの廉価盤シリーズ「オーマンディ音の饗宴」の中の一枚として聴いたのでした。当時、クラシックの超初心者だった私は、ほとんど当てずっぽうにいろいろなクラシックのレコードを購入していた訳ですが、私にとっては実にエポックメイキングな作品となったのです。
特に第一楽章の「蒼古」と形容したくなるような分厚いオーケストレーションにのって、悲愴さとある種の決然とした趣をもって、ぐいぐいと進行していくの様は、なんだかわからないけれど、とにかく「凄い音楽だ」と圧倒されましたし、第3楽章のトリオに相当する部分の哀感や、最終楽章の暗から明へ劇的に展開するドラマ性といったあたりも素晴らしく、とにかく全編に渡って私はぶるぶると体が震えるくらい感動したのです。
この出来事は、それまで訳も分からないまま、なんとなく敷居が高く感じられたクラシックを一挙に身近なもの感じさせたと同時に、ブラームス愛好家となるきっかけともなった訳ですが、こと交響曲第1番については、以来、沢山の演奏を聴いてきたものの、やっぱ一番最初に聴いたオーマンディとフィラデルフィア響の演奏を超えるものがないってのが、私の正直な感想です。
こんなこと書くと、「もっと素晴らしい演奏があるではないか」と反論される方もいるでしょう。確かにいろいろブラームスの作品を聴いてきた後で、この演奏を聴くとこの曲のシンフォニックさをえげつないまでに強調した、ブラームスにしてはちとブリリアント過ぎる演奏なのではないと感じないでもないですけど、ベートーベンの第9の正統的な後継を目指すという、難題に取り組んだがために、完成するまでに20年もかかってしまった....という、彼の半生でようやく到達した記念碑的な作品という性格を考えれば、こういう輝かしい演奏もひとつの解釈として正解なのではないかと考えたりもするんですよね。
そんな訳で、ようやく入手したオーマンディのブラ1ですが、聴いてみると、あまりにレコードの音と違うのにしばし愕然!。レコードはホール残響が気味悪いくらいに聴こえるほとんど異常とも思えるハイ上がりな音質でしたが、CDではリマスタリングに際して、おそらくそのあたりを補正したんでしょう、オーソドックスといえば聴こえはいいですが、なんか当たり前の音になっちゃったのが残念です。理論的にはこのやり方の方が「正しい」んでしょうけど、個人的には「おいおい、オレが聴いていた音と、違うじゃん、コレ」ってな感じで違和感ありまくりなんですよね。んー、こうなると禁じ手、自家製リマスタリングであのハイ上がりなレコードの音を演出したくなっちゃうなぁ(笑)。
PS:ちなみにこのアルバム2枚組で、もう一枚の方はストコフスキーがナショナル・フィルを振ったブラ2(これも名演)なんですが、フィルアップに「ヘンデル主題による変奏曲」の管弦楽版というのが入ってます。こんなのあったんですね。初めて聴きました。あまりブラームスらしいオーケストレーションとはいえませんけど、なかなかおもしろかったです。
特に第一楽章の「蒼古」と形容したくなるような分厚いオーケストレーションにのって、悲愴さとある種の決然とした趣をもって、ぐいぐいと進行していくの様は、なんだかわからないけれど、とにかく「凄い音楽だ」と圧倒されましたし、第3楽章のトリオに相当する部分の哀感や、最終楽章の暗から明へ劇的に展開するドラマ性といったあたりも素晴らしく、とにかく全編に渡って私はぶるぶると体が震えるくらい感動したのです。
この出来事は、それまで訳も分からないまま、なんとなく敷居が高く感じられたクラシックを一挙に身近なもの感じさせたと同時に、ブラームス愛好家となるきっかけともなった訳ですが、こと交響曲第1番については、以来、沢山の演奏を聴いてきたものの、やっぱ一番最初に聴いたオーマンディとフィラデルフィア響の演奏を超えるものがないってのが、私の正直な感想です。
こんなこと書くと、「もっと素晴らしい演奏があるではないか」と反論される方もいるでしょう。確かにいろいろブラームスの作品を聴いてきた後で、この演奏を聴くとこの曲のシンフォニックさをえげつないまでに強調した、ブラームスにしてはちとブリリアント過ぎる演奏なのではないと感じないでもないですけど、ベートーベンの第9の正統的な後継を目指すという、難題に取り組んだがために、完成するまでに20年もかかってしまった....という、彼の半生でようやく到達した記念碑的な作品という性格を考えれば、こういう輝かしい演奏もひとつの解釈として正解なのではないかと考えたりもするんですよね。
そんな訳で、ようやく入手したオーマンディのブラ1ですが、聴いてみると、あまりにレコードの音と違うのにしばし愕然!。レコードはホール残響が気味悪いくらいに聴こえるほとんど異常とも思えるハイ上がりな音質でしたが、CDではリマスタリングに際して、おそらくそのあたりを補正したんでしょう、オーソドックスといえば聴こえはいいですが、なんか当たり前の音になっちゃったのが残念です。理論的にはこのやり方の方が「正しい」んでしょうけど、個人的には「おいおい、オレが聴いていた音と、違うじゃん、コレ」ってな感じで違和感ありまくりなんですよね。んー、こうなると禁じ手、自家製リマスタリングであのハイ上がりなレコードの音を演出したくなっちゃうなぁ(笑)。
PS:ちなみにこのアルバム2枚組で、もう一枚の方はストコフスキーがナショナル・フィルを振ったブラ2(これも名演)なんですが、フィルアップに「ヘンデル主題による変奏曲」の管弦楽版というのが入ってます。こんなのあったんですね。初めて聴きました。あまりブラームスらしいオーケストレーションとはいえませんけど、なかなかおもしろかったです。
今、調べましたところ、確かに2番と「ヘンデル変奏曲」はオーマンディの演奏で、ストコのものでありませんでした。申し訳ありません。ストコフスキーの2番はアナログ盤を持っていたので、すっかりそのつもりで聴いていたようです。これだから、オレの耳はあてにならないんだよ。とほほ。
ご指摘ありがとうごさいました。
>もう一枚の方はストコフスキーが
>ナショナル・フィルを振ったブラ2
私も同じCDを持っていますが、ブラ2もオーマンディの指揮です。ストコフスキー指揮の演奏は、2枚組みの中では「悲劇的序曲」だけのはずですが・・・。
オーマンディですか。私は正直聴いたことがなかったのですが、webernさんのコメントをみてて是非聴いてみようと思います。
また、もう1枚に収録されてるというストコフスキーの2番は私も持っています。あまり話題にされませんが良い演奏ですね。どちらかというと「はったり」系のイメージのあるストコフスキーですが、この演奏は真摯にかつ集中力をもったすばらしいものだと思います。今後ともよろしくお願い致します。