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ブラームス ピアノ協奏曲第1番/ルビンシュタイン,メータト&イスラエルPO

2006年03月08日 23時29分35秒 | ブラームス
 昨日購入してきたものの一枚。メータとイスラエル・ファルを従えたルビンシュタイン引退記念の録音とのことです(76年)。当時の彼は89歳だった訳ですが、それを当時中堅のトップスターで、はつらつとしていた頃のメータがバック・アップするという組み合わせがおもしろいところです。しかし凄いよなぁ、もちろん複数のセッションから作り上げたものだろうけど、89歳でこのピアノですからねぇ....。ジャズの方だと、ハンク・ジョーンズが現在88歳で活躍中ですけど、「老いて、なお矍鑠(かくしゃく)」の典型的な例といえましょうか(私は昨日から風邪弾いてダウン気味ですが-笑)。

 私はルビンシュタインの演奏って、これで初めて接するようなものですが、世界を股にかけた華麗なる名技性みたいなイメージからすると、この演奏は正直やや地味かなとも思わないでもないのです。なにしろ昨日レヒナーみたいな淀みない推進力に裏打ちされた今時の演奏聴いたばかりですから、第1楽章の展開部に入るあたりの覇気にみちたピアニスティックなフレーズや第3楽章の主要主題など、なにしろこの曲の持ち味である「若気の至り的なごりごり感」が、少々足りないような気もするんですね。
 したがって、演奏から受ける印象としては、老境の英雄が自らの過去を振り返っているような、一種、ラプソディックといってもいいような雰囲気を感じました。だからこの演奏の美点といえば、第1楽章の第2主題に後半に出てくる厳かな旋律だとか、第2楽章の歌い回しのなんともいえない滋味あたりにあるんじゃないと思います。まぁ、こういう印象を持つのは少なからず録音データから来るこちらの先入観みたいなものもあると思うのですが.....。ともあれ、そうなると、これよりもう少し遡った50年代後半にライナーと組んだ録音だとどうだったんだろう?興味を感じてきました。

 メータとイスラエル・フィルはごくごく優等生的なバランスで、可もなく不可もなしといった感じですかね。メータみたいな豪華で派手なオーケストレーションを縦横に仕切っていくあたりに能力を発揮する指揮者だと、この曲はちょいと荷が軽すぎるというか、一応ブラームスらしい重量感はありますが、この作品特有の渋いくどさみたいなものはさらっと流してしまっている感じ。
 ちなみに録音はいかにも往年のデッカらしいもので、弾力的な低音をベースに、客席というよりオケのど真ん中で聴いてるような(そんなポジションで聴いたことないですが-笑)、各楽器群の輪郭が精細に描き分けられたオン・マイクな音です。

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