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21世紀最大の発見ユダの福音書

2006年06月20日 02時48分28秒 | Books
 今月の文藝春秋でおもしろかったのがこの記事。サブタイが「事実はダ・ヴィンチ・コードより奇なり」である。まず執筆しているのが、元外務省のラスプーチンで鈴木宗男との関係を取り沙汰され、現在謹慎中?の佐藤優というのがおもしろい。彼は大変な博学だというのは、悪役として頻繁にニュースに露出していた頃から有名だったけれど、最近、保守系の雑誌にあれこれ書いている内容はその守備範囲の広さといい、情報量の多い文章といい、いかにも博学な印象だ。

 この文章は、大昔からその存在が取り沙汰されていた「ユダの福音書」がこの度発見され、その内容の予想される影響力の大きさからいって、21世紀最大の発見と呼ぶべきものだ....という趣旨である。で、「ユダの福音書」の何が衝撃的なのかといえば、古来から定番である「ユダは裏切り者」という図式がこの書によって崩れるということらしく、そこから派生したらしいキリスト教の戦闘的拝他主義みたいなものが、今後数十年に渡って変質させていく可能性すらあるというらしい。

 ともあれ、「ユダが裏切り者なら他の使徒達だって裏切りものだった」とか、「ユダの福音書」を辛抱するユダ教団みたいなものがあったとか文章は俄然おもしろさがましていくのだが、その後はけっこうあっさりと「それもこれも神の思し召し」みたいなところでまとめてしまっているのはちと残念で、もっと詳しく読ませろ....という感じだった。

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