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ミクロス・ローザ三部作 (Score)

2006年03月16日 22時58分28秒 | サウンドトラック
 先日レビュウしたローザの「3つの合唱組曲」のところで、ちらっと話題に出したリヒャルト・ミュラー・ランペルツ指揮ハンブルク・コンサート交響楽団、同合唱団によるローザのエピック・フィルム3作品の組曲を収めたアルバムです。62年といえばこれらの作品は、ほぼリアル・タイムといってもいい時期の録音でしょうから、どのような経緯でこれが録音されたのかはわかりませんが、この時期に早くもこうしたスコア盤が録音されたというのは、当時の人気振りがわかろうというものです。

 当時は史劇映画(エピック・フィルム)が第何次目かのブームだったようですが、その火付け役となったのがもちろん「ベン・ハー」であり(起源としては「クウォ・デバイス」あたりでしょうが)、その音楽を担当したのがローザだったというのは周知のとおり。ユダヤ人のベン・ハーとキリストの最期を6年半のドラマを交錯させながら壮大なスケールで描いたこの作品はそれ自体映画史上の傑作といえるものでしたが、ローザはそれをワーグナー的なスケール感とハンガリー的な鋭角的なリズムやある種エキゾチックな雰囲気でもって、もはや以上ないというくらい見事に映像を音楽化をし、これまた映画音楽史上に残る傑作と評価されました。ローザは一躍のこの分野の巨匠として有名になり、61年には実に三本ものエピック映画の音楽を担当しているほどです。

 このアルバムには「ベンハー」に加え、61年に担当した三本のエピック・フィルムの内の「エルシド」と「キング・オブ・キングス」が加え、合計3つの組曲が収録されています。当時としてはさながらエピック・フィルム・グレイテスト・ヒッツという感じだったんでしょうね。どれも多少ハリウッド落日の輝きとでもいえる派手な豪華さと多少えげつないほどのスケール感を持った音楽となっています。先日の「3つの合唱組曲」はそういう意味からいうと、やや落ち着き過ぎ、枯れ過ぎな感もなくはなかったですから、当時の勢いというかハリウッド的な金ぴか感のようなものは。むしろこちらの方がよく伝わってきます(いかにも60年代初頭という感じの荒っぽい高域の音質もそれっぽくいし)。

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