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ハイドン 交響曲第20番「雷鳴」/フィッシャー&AHハイドンPO

2007年05月13日 14時18分52秒 | ハイドン
 このところ3楽章制の曲が続きましたが、こちらはオーソドックスな4楽章の交響曲です。もっとも作曲された年代としては、モルツィン伯爵家に仕えていた時期の作品という説もあり、全体は約14分弱と短く、小振りではあるものの、あまり小細工を労せず一気に仕上げたような仕上がりといえます。そのあたりを象徴しているのが第1楽章で、序奏なしにかなり唐突に始まります。いや、今聴くともう優美ともいえる開始なんですが、当時の感覚だと、これはおそらくドッカーンっていうくらいに、かなり激しい曲頭だったんじゃないですかね。ちなみにこの曲頭にちなんで、20番は「雷鳴」と命名させてもらいましたか、この部分、ドッカーンというよりはドロロ~はンっていう雷みたいに聴こえるもんで....。続く、本編も快調そのもの、喜ばしい雰囲気に溢れていて、なかなか印象的な楽章に仕上がっています。

 第2楽章はちょい早めのテンポで進むアンダンテ・カンタービレで、弦楽合奏のみで進められているようですが、低弦のピチカートがリズム的にもアンサンブル的にも良いアクセントになっていて、とても心地よいですし、途中ちょっと陰りある雰囲気がふとしのびよってくるあたりもチャーミングです。続くメヌエットはそれこそ型どおりの仕上がりですが、弦と絡むホルンの響きがなんとも牧歌的、トリオでは弦が鄙びた雰囲気を醸し出しています。主部とトリオがあまりに対照的にならず一定した流れを保持しています。そういえば、第2楽章も比較的リズムが表に出ていましたから、この曲の場合、交響曲的な起承転結というよりは、全体がリズミカルに進んでいくというあたりが特徴なのかもしれません。ただ、三拍子の第4楽章はどうなんでしょう。なんだか、メヌエットの続きのような雰囲気強く、似たようなホルンの使い方も出てくると、最終楽章としはもう少しプレストらしいプレストで颯爽と終わって欲しかったという気がしないでもありません。

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