Blogout

音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

エラ・フィッツジェラルド・シングス・コール・ポーター・ソング・ブック vol.1

2009年11月13日 00時03分55秒 | JAZZ
 先日、取り上げたニューヨーク・トリオの「ビギン・ザ・ビギン」がコール・ポーターの作品集であったことから、ふと思い出して久しぶりに聴いてみた。エラ・フィツジェラルドはヴァーブ時代に限ってみても、こうしたソング・ブック・シリーズを1ダース近い作品を出しているけれど、このコール・ポーター集は確かその最初のものである。彼女はヴァーブに移籍する前のデッカでも、ガーシュウィン集のような作品を出していたようだが、「ソング・ブック」というコンセプトを全面に出してアルバムを作ったのは、彼女にこれまでの活動に限らずとも、おそらくジャズ界では斬新かつ画期的なプロジェクトだったのではないだろうか。なにしろ、このアルバムでは都合ポーターの作品を32曲を取り上げているである。

 さて、とりあえず、現在第一巻目の方を聴いているところである。1曲目は「夜もすがら(All Through the Night)」で、ストリングスを加えたビッグ・バンドをバックにミディアム・テンポでゆったりと歌っていて実に気持ちいい。そういえば、この曲は奇しくもビル・チャーラップの出世作のタイトル・チューンで、アルバム冒頭に9分近い長尺ヴァージョンで収録されていて、レッド・ガーランドばりのスマートなスウィング感に、モダンなリズム感覚を加味した実にクレバーなアレンジで、思えば私がチャーラップにKOされた一曲だった。2曲目の「エニシング・ゴーズ」も好きな曲だ。この曲は「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」の冒頭で、ケート・キャブショーがMGMミュージカルのパロディよろしく歌った曲であり、初めて観た(聴いた)時は思わずニヤリとしたものだった。今聴くと「夜の静けさに(In the Still of the Night)」も好きな曲だ。この曲はチャーリー・パーカーが演奏したコーラス入りの意味不明なヴァージョンも楽しいが、はて、どちらを先に聴いたんだっけか?。「オール・オブ・ユー」といえばマイルスの「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」で知ったんだけど、ジャズメンにやけに好まれるこの曲はさすがにエラ・フィツジェラルドもジャジーに歌ってるな。最近だとキース・ジャレットもよかった。「ビギン・ザ・ビギン」は、これを聴くきっかけになった曲だ....。

 などと、こうしたスタンダード・ナンバーを、バーボン飲みつつ、「あれ、この曲は誰の演奏や歌唱で知ったんだけかな....?」と考えながら聴くのは実に楽しい。もっともこういうのはこちらの気分が乗らないと、なかなかそういう気分になれないものだが、たまたま今はそういう気分である。ついでに書くと、「君にこそ心ときめく」「レッツ・ドゥ・イット」「ゲット・アウト・オブ・タウン」の3曲は、ピアノ・トリオにバーニー・ケッセルを加えたカルテットでの演奏で、これはけっこうジャジーな演奏で、甘口でやや古臭いアレンジが多い楽曲の中にあって、けっこういいアクセントになっていて、これまたいい感じで聴ける。
 という訳で、久しぶりにいい気分でこのアルバムを聴けた。けっこう僥倖かも....。明日は第2巻を聴いてみようか?。同じような気分で聴ければ幸せなんだけどなぁ(笑)。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ジョヴァンニ・フスコ/情事 | トップ | ジョヴァンニ・フスコ/赤い砂漠 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

JAZZ」カテゴリの最新記事