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ハイドン交響曲第32番「ティンパニ」/フィッシャー&オーストリア・ハンガリー・ハイドンPO

2009年11月14日 10時50分56秒 | ハイドン
全四楽章、この演奏で所要時間約15分の比較的簡潔な交響曲です。このシリーズを書くにあたってよく参考にさせていただいている「The Web KANZAKI」によれば、モルツィン伯爵家時代に分類されていますから、彼の作品でもかなり初期のものになるのでしょう。素朴な疑問なんですけど、こうした古典派以前の作品はけっこうナンバリングが必ずしも創作順にならない混乱がよくありますが、ハイドンの場合、それがかなり凄いことになってますね。同サイトによると、このモルツィン伯爵家時代になんと107番とかが入ってたりしてますが、作曲者はどうしてこういうナンバリングをしたのか、そのプロセスはどうなっていたのでしょう?。まぁ、「音楽=芸術家の作品」みたいな概念がまだまだ薄かった、万事おおらかだった時代だったということに尽きるんでしょうが、それを慮って後年学者さんがつけたホーボーケン番号まで、新しい資料を基にどんどん訂正を迫られるというのは、あらたな通し番号が必要になるかもしれませんね。

 さて、第1楽章はティンパニと金管が大活躍するいかにも宮廷のお祝い行事風な賑々しさがあります。特にティンパニは随所でドロドロととした音を響かせていますが、今の耳で聴けば、このくらいは「多少のアクセント」程度ですが、おそらく当時はたいそう刺激的な響きに満ちていたのではないかと思われます。後年の「驚愕」でもそうですが、こ「こでひとつ聴いてる人を驚かしてやろう」的な茶目っ気が感じられます。第2楽章は緩徐楽章ではなくメヌエット、ベートーベン以前にこうした構成を試みていたのはちょっと驚きますが、これも「試み」とか「実験」とかそういうたいそうなものではなく、ハイドン流の茶目っ気だったんでしょうね。内容的にはやはり宮廷風なものですが(やはりティンパニが活躍)、ここではトリオの静謐な響きが印象的です。第3楽章はアダージョですが、多少リズミカルなところがあり、ギャラント風な装飾音が雅な風情を漂わせています。最終楽章は冒頭の雰囲気にもどってティンパニが大活躍します。

 恒例のニックネームですが、この32番は全体に「宮廷風」な趣が強いので、ニックネームはそれがまっさに思い浮かんだのですが、遡って読んでみたら、「宮廷風」は既に2番で使用済みであったことを発見。となると思いつくのは、両端楽章で派手に活躍するティンパニ.....ということになり、ここではあれこれ考えずにシンプルに「ティンパニ」で決めました。

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