私はボサ・ノヴァ好きといっても、ほとんどジョビンとその周辺くらいしか聴かない人なので、守備範囲は至って狭い(セルジォ・メンデスすらあまり聴いていないのだ-笑)。このタンバ・トリオを率いるルイス・エサについても一部好き者の間では、人気も評価もかなり高い人なのだが、私は彼らについてはほとんど知らないし、これといってきっちりとした音楽的なイメージももっていない。
実は大昔、CTIから出た「2人の海」というアルバムを中古で買ってきた記憶もあり、これはたいそうな名盤らしいのだが、実はこれも初めて聴いて時は、まったくピンとこなかった。で、本作だが10年以上前のことだったと思うが、ボサ・ノヴァ関係のアルバムがまとめてCD化された時に、前述の「2人の海」と一緒に購入してきたものである、ほとんど覚えていないが、当時もこれといって記憶に残らなかったんじゃないだろうか。
さて、改めて聴いてみると、私が「ピンとこない」理由がよく分かる。ここで聴けるタンバ・トリオの音楽は、基本的にピアノ・トリオ+フルート+コーラス隊という編成で(ブラジルにはこの手のスタイルはけっこう多そうなだが)、ジョビンあたりの「濃さ」があまりなく、ひたすら品良く、上品に仕上げていて、その感触は今でいうサロン・ミュージック的な軽さであり、この脱色感のようなものが、イマイチくいたりないではないかと思うのだ。
また、ルイス・エサのピアノはなかなかテクニカルであり、時にオスカー・ピーターソン風だったり、クラシカルなセンスも随所にみせるあたり、オイゲン・キケロのブラジル版みたいな趣があったりするのだが、個人的にはちと饒舌すぎ、音楽主義過ぎて、ジョビンのシングル・トーンやジョアン・ドナートのトロピカルさ....といった素朴さがつい懐かしくなってしまったりする。
とはいえ、本日のような暑い夏の真昼に午睡すれすれな気分で聴いていると、こうした音楽の効用を発揮して(?)とても快適である。フルートの音色は清涼感溢れ、ピアノはフットワークも軽く躍動感に溢れており、コーラス隊はなにげに「オシャレ」である。前述のようにこのアルバムの音楽、基本的にはサロンミュージックなのだろうから、そういう楽しみ方をすればいいわけだ。
ちなみにこのアルバム、1962年発表らしいから、ほとんどボサ・ノヴァ創生期の作品というのがけっこう驚き。ボサ・ノヴァというのは、ごく初期の段階からかなり広がりを見せた展開をしていたのがよくわかろう作品といえようか。
実は大昔、CTIから出た「2人の海」というアルバムを中古で買ってきた記憶もあり、これはたいそうな名盤らしいのだが、実はこれも初めて聴いて時は、まったくピンとこなかった。で、本作だが10年以上前のことだったと思うが、ボサ・ノヴァ関係のアルバムがまとめてCD化された時に、前述の「2人の海」と一緒に購入してきたものである、ほとんど覚えていないが、当時もこれといって記憶に残らなかったんじゃないだろうか。
さて、改めて聴いてみると、私が「ピンとこない」理由がよく分かる。ここで聴けるタンバ・トリオの音楽は、基本的にピアノ・トリオ+フルート+コーラス隊という編成で(ブラジルにはこの手のスタイルはけっこう多そうなだが)、ジョビンあたりの「濃さ」があまりなく、ひたすら品良く、上品に仕上げていて、その感触は今でいうサロン・ミュージック的な軽さであり、この脱色感のようなものが、イマイチくいたりないではないかと思うのだ。
また、ルイス・エサのピアノはなかなかテクニカルであり、時にオスカー・ピーターソン風だったり、クラシカルなセンスも随所にみせるあたり、オイゲン・キケロのブラジル版みたいな趣があったりするのだが、個人的にはちと饒舌すぎ、音楽主義過ぎて、ジョビンのシングル・トーンやジョアン・ドナートのトロピカルさ....といった素朴さがつい懐かしくなってしまったりする。
とはいえ、本日のような暑い夏の真昼に午睡すれすれな気分で聴いていると、こうした音楽の効用を発揮して(?)とても快適である。フルートの音色は清涼感溢れ、ピアノはフットワークも軽く躍動感に溢れており、コーラス隊はなにげに「オシャレ」である。前述のようにこのアルバムの音楽、基本的にはサロンミュージックなのだろうから、そういう楽しみ方をすればいいわけだ。
ちなみにこのアルバム、1962年発表らしいから、ほとんどボサ・ノヴァ創生期の作品というのがけっこう驚き。ボサ・ノヴァというのは、ごく初期の段階からかなり広がりを見せた展開をしていたのがよくわかろう作品といえようか。