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スタン・ゲッツ&ルイス・ボンファ/ジャズ・サンバ・アンコール

2009年08月08日 23時21分44秒 | Jobim+Bossa
スタン・ゲッツが手がけたボサ・ノヴァ・シリーズは一体何枚あるのだろう。ここ20年ほど、その手のアルバムに気がついたら購入するという感じで、音楽の性格上からいっても、あまり気張って聴くこともなかったのだが、そろそろ前後関係が分からなくなってきたので、ネットで調べてみた。きっと、他にもまだあるのかもしれないが、おおよそ下記のアルバムが主要なカタログだと思う。
 自分が購入した順番がそうだったせいもあって、ゲッツは「ジャズ・サンバ」で成功した後、すぐさまジルベルトと共演盤に行ったように思っていたが、実は「ジャズ・サンバ」のすぐ後に、ゲイリー・マクファーランドと組んだ「ビッグ・バンド・ボサ・ノヴァ」が来て、その次に「ジャズ・サンバ」の続編を謳った本作。そしていよいよ「ゲッツ/ジルベルト」の登場と相成る訳で、ジルベルトと僥倖になるまでけっこうアルバムを重ねていたことがよく分かる。

 さて、本日、封を切った「ジャズ・サンバ・アンコール」だが、タイトルを額面通り受け取るなら、本編のチャーリー・バードをルイス・ボンファにスウィッチしたインスト作品ということになるだろうが、実際聴いてみると、そういうものとはいささか毛色が違う。本作で聴けるボンファのギターはあくまでジャズ的なところに基本を置いていたバードに比べると、当たり前だがモロにブラジル風なところがあり、そのせいか、音楽全体がもっと本格的にボサ・ノヴァしているところがあると思う。どちらかといえば、後年のローリンド・アルメイダと組んだ作品の雰囲気に近いくらいだ。
 ついでにいえば、本作品はボンファの奥方だった、マリア・トレードがスキャット・ボーカルで参加していることもあって、次なる「ゲッツ/ジルベルト」の布石にもなっていることは特筆してもいいことかもしれない(もっとも録音された時期は発売順通りではないかもしれないが)。

 そんな訳で、本作はその後、二手に分かれるゲッツのボサ・ノヴァ路線のスタートとなった作品といえるが、まぁ、そんなヒストリカルな音楽的意義はともかくとして、このアルバム、ゲッツのボサ・ノヴァ作品としては、大昔からCD化されていた「ビッグ・バンド・ボサ・ノヴァ」とか「ウィズ・ローリンド・アルメイダ」より、優れた作品なのではないかと思う。まぁ、ゲッツのサックスはバックの雰囲気は変われど、たいていプレイそのものは「いつもの感じ」だから、純粋のサックスのプレイのみ....という側面だけで考えると、評価も違ってくるかもしれないが、少なくとも私はこのアルバムの雰囲気をとても気に入った。なにしろ、トロピカルな点も加えて、ジャズ的なテクニカルな点も併せ持つボンファのプレイは実に好調だし、随所に彩りを添えるマリア・トレードのボーカルが実にいいアクセントになっていて、全体としては実に素晴らしい出来になっていると思うからだ。


・Jazz Samba(1962.02)
・Big Band Bossa Nova(1962.08)
・Jazz Samba Encore(1963.02)
・Getz Gilberto(1963.03)
・With Laurindo Almeida(1963.03)
・Getz Au Go Go(1964.05)
・Getz-Gilberto #2(1964.10)
コメント
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